荒事始末人ユリアの仕事(2)

更新間隔が飛びまくってすみません……。ずーっと博麗神社例大祭合わせで「幻想郷文々。日和」を制作していました。シナリオとスクリプトを同時に担当したので大変でした……。
でもまあ何とか完成したので、SSの第2話いきます。

……
意外と厄介そうね……。エルマーク様特製の試作体だから一筋縄ではいかないと思うけど。
巨大なパンプスで通りのアスファルトを陥没させながら、ユリアは気を引き締めた。
だいたいどーしてただの植物がこんな怪物になるのよ、ったくもう。巨大化能力と次元跳躍能力を持つなんて勘弁してほしいわね。
一見すると巨大試作体は毒々しい植物を生物にしたような不気味な形をしていた。触手代わりの蔓を十本以上自在に揺らし、次々に建物を壊滅させている。頭部に当たる部分には薔薇に似た巨大な花があり、意志を持つかのように周囲の様子を伺っていた。
こっちの存在にも気づいてるわね。とりあえずどうやって攻める?エルマーク様の作品だから迂闊に手を出すと……。
一瞬、空気を切り裂く音が耳に届いた。その意味を判断するよりも早く、ユリアの両足に触手が絡みつき、思い切り引きずり倒されていた。
「あっ……!」
悲鳴を上げる間すらも無かった。巨大化した少女魔法使いは背中から地面に倒され、大通りにあった車などをまとめて潰してしまった。伸ばした腕もまた周囲の建物を簡単に破壊し、派手に埃が舞い上がる。
それでも試作体の攻撃は続いた。掴まえた<獲物>を弱体化させるかのように左右に振り回し始めたからだった。ユリアの体重1000トンを超える巨体が軽々と宙に舞っては叩きつけられ、そのたびに激しい振動が戦場となった街を揺さぶる。
「ち、ちょっと何するのよ!」
魔法のお陰で痛くないとはいえ、自分の身体で街を破壊してしまう罪悪感は隠せるものではなかった。気が付くと周囲は瓦礫の山と化しており、スカートの下ではマンションのなれの果てを思い切り潰している始末だった。
「おーい! 大丈夫か~?」
反撃手段を考えるよりも早く、謙吾の脳天気な声が耳に届く。
「世界中が心配してるぞ。弱過ぎるってさ」
「馬鹿言わないでよ。まだ全然本気出してないんだから。ちょっと油断しただけじゃない」
「それより地面が揺れて揺れて駄目だ。何とかしてくれ!」
「うっさいわね。これならどう!?」
ユリアが軽く指を動かすのと同時に。謙吾の身体はふわりと宙に浮いた。突然地面が無くなり、さすがの少年も非常に慌てたが、落ちるようなことはなかった。
「ど、どーなってるんだよ! これ……」
地上20メートルぐらいまでの高さまで運ばれたところで、謙吾はようやく声を上げた。巨大化したまま地面に座り込むユリアを正面から見る形となる。
「面倒だからちょっとした魔法を使っただけ。感謝しなさいよ」
「落ちたりしないよな?」
「魔法の力を使ってるから平気♪」
「お前凄いんだな……」
「荒事始末人だから当然よ。あ、今の状態のまま自由に動けるから好きに中継していいわよ」
「ああ。……好きにね、好きに……」
正面に回り込んでいることもあり、ユリアのスカートの奥をスマホのカメラ越しにガン見していた謙吾だったが、少しだけ反省した。巨大化した少女のパンチラは絶景以外何物でも無かったのだが。
「さてと、ここから本気でいくわよ! これでどーかしら!」
謙吾の相手を済ませて、ユリアはようやく反撃に転じた。試作体が動きを止めたのをいいことに、その本体目掛けて火炎魔法を放つ。植物ならば炎に弱い。お約束の攻撃に思えたのだが……。
炎は試作体に吸収されて消えた。
「え?」
一瞬、両足に絡んだ蔓が緩んだのですかさず脱出したものの、炎を吸収されては困惑するしかなかった。
「おいおい。どーなってるんだ?」
「魔力を吸収する能力まであるみたい。こーなったら肉弾戦しかないわね」
「大丈夫かよ」
「肉体は最後の武器ってよく言うじゃない!」
立ち上がりながら言い切ると、すぐにマントを翻して新たな行動に出る。足元の瓦礫やまだ破壊されていない建物をまとめて蹴散らしながら走り出すと、高圧電線塔に両手をかけたからである。
「これいい武器になりそう。えーいっ!」
平然と言いながら一気に引き抜く。電線がまとめて千切れて派手に火花を散らし、ユリアはびっくりしたような表情を浮かべる。
「おい! 大丈夫か!?」
「へーきよ。ちょっとびっくりしただけ! これ借りるから!」
「電線塔は借り物じゃねえ!」
謙吾の突っ込みを無視して、ユリアは電線塔を両手で持った。
もはや手段を選んでいる場合ではなかった。
でも、こうやって壊してしまうのって少しだけ楽しいかも。どーせ魔法で元に戻せるんだから……。
そんなことを思いながら、電線塔を武器に試作体に逆襲していく。足元で派手に住宅地を蹴散らしながら間合いを詰めると、蔓による攻撃をかわしながら電線塔で殴りつける。少し怯んだのを見ると、ミニスカートを豪快に翻して蹴りを浴びせ、さらに拳を叩き込む。
「少しは効いてるようね」
属性魔法による攻撃は全て吸収されてしまう可能性が高かったが、さすがに物理攻撃まで耐えられるようではなかった。
「だったら……。これはどうかしら!?」
片手で持っていた電線塔を思い切り叩きつけて、ついにバラバラにしてしまうと、ユリアは試作体を両手で抱え込んだ。謙吾が驚くよりも早く、力まかせに思いきり投げ飛ばす。その先にあったのは……まだまったく壊されていない中心街だった。
「おい……」
次の瞬間、最大級の破壊劇が街の真ん中で発生した。全長50メートルはあるビオランテもどきが建物という建物を破壊しながら転がり、高層マンションを根本から倒してやっと止まったからである。大通りにあった車は全て破壊されて一部が爆発し、破壊された建物からも煙が上がり始める。まるで爆撃でも受けたかのような惨状だった。
「思い切り壊してるじゃねーか!」
「仕方ないじゃない。こんな化物相手に犠牲はつきものでしょう。だから住民は逃がしたんじゃない」
「だからといって街を破壊するな!」
「無茶言わないで!」
大声で反論しながら、ユリアもまた中心街に足を踏み入れた。邪魔な建物は無造作に足で蹴散らし、時には蹴飛ばして突き進む。
「障害物が多すぎるわね……。えいっ!」
車が全てスクラップになり、歩道橋も道路に落下した交差点に足場を置いていたユリアだったが、角に立つビルが邪魔だったこともあり、肘打ちだけで壊してしまった。標的となったビルは簡単に倒壊し、周囲の建物を思い切り巻き込む。
「お前、怪獣みたいだって世界中で大騒ぎになってるぜ。でも可愛いから許すってさ」
「あ、そう言ってもらえると嬉しいわね~」
「バカ言ってないでとっととビオランテもどきをどうにかしろ!」
「分かってるわよ! ……もっと壊したいのに」
物騒な本音を漏らした巨大少女魔法使いに、謙吾が返す言葉を見つけられないでいる内に。ユリアはマントを翻して試作体に攻撃を仕掛けた。蔓などを使って態勢を立て直そうとしているのを見ると力任せに殴りつけ、投げ飛ばしたからである。周囲の建物にも構わない猛攻だけに、さすがの試作体も少しは弱ってきたように見えたが、戦場となった街の惨状は目を覆わんばかりだった。
「意外と楽しいわね。こうやって壊しながら戦うのって」
「お前……。まさかわざとやってないか?」
「まさか。生命力が高いから少しずつ消耗させてるだけよ。こー見えても大変なんだから。えいっ!」
「だからビルを引き抜いて叩きつける奴がどこにいる!」
「武器がないんだから仕方ないじゃない。……あ、これいいかも」
謙吾の突っ込みを無視して、ユリアはさらにとんでもないものに手をかけた。それは大通りを跨ぐ鉄道の高架線だった。
「こんな乗り物に乗ってるのね……。ここの世界は。ちゃんと調べたいけど後回し。武器の代わり!」
「今度は電車かよ……」
もはや謙吾は突っ込む気にもなれなかったユリア自身は楽しそうだった。高架線を踏み潰したまま電車の編成を持ち上げると、まるで鞭のように振り回した挙句、試作体に叩きつけたからである。
「あーあ。簡単に壊れるじゃない……」
「当たり前だろ! とっとと決着つけろよ!」
「いいけど……。もっと遊んでから♪」
「本来の目的を見失ってるだろ?」
「でもあたしみたいな女の子が巨大化して大暴れしてる場面って絵になるでしょう?」
それは否定できなかった。というより、世界中にいる配信映像の受け手側も同意見だったからである。
「魔法で戻せるんだったいいんだけどな。しかし……」
「しかし?」
「うまい話には裏があるっていうのが、戦場カメラマンの親父の口癖なんだ」
「そう? 別に大したことない……」
ユリアがそこまで言った時だった。
いきなり、魔法による攻撃がユリアに命中した。

……

このシリーズは次回で完結の予定です。あくまでも予定です(終わらなくなることが度々あるので)。
次回の更新は来週、イラストを更新します。久しぶりに外部に依頼したイラストを掲載しますのでお楽しみに。

荒事始末人ユリアの仕事(1)

本当は来週辺りに更新する予定だったのですが、何とかまとまったので今週更新します。
神風様より以前頂いた「巨大な魔術師少女の大暴れ」というリクエストを元に書いて(描いて)みました。今までと同じではちょっと味気ないので少しだけストーリー性を強くしています。というわけで、今回は巨大化シーンはあるのですが、破壊シーンはありません。ただ、ユリアのイメージイラストを途中に入れましたのでまあ、ご覧になって下さい。

……
「なにー!? 試作体が逃げた!?」
王都・ラントスの中央にそびえ建つ王立魔法研究所に大導師の大声が響き渡る。
石と魔法造りの建物すらも震わせるその大声に、研究員たちは手を止めて肩をすくめる。
「ちょーっとだけ失敗したのよ~。まさかあんなに知恵がついているなんて思わなかったわ」
大導師の馬鹿声に、ヘイゼル・エルマークは平然と答える。魔法をベースとした技術革新に打ち込む若き女性魔法使いであり、<王国開闢以来の天才>とも言われている。ただ、その分常識はどこかに忘れてきたようだったが。
「で、試作体はどこに行った!?」
「次元を跳躍して近くの別世界に逃げたみたいね。まさか次元跳躍能力まで取得するなんて意外意外」
「さすがはエルマーク女史。ただの植物をベースにした試作体にそのような能力を持たせるとは。大したものだ」
「ふふ。お褒めいただいて光栄ですわ~。ついでに巨大化能力も身につけたみたいだけど、ま、これはおまけね」
「ふむ。巨大化能力も取得したか。どれぐらいまで大きくなる?」
「おおよそ50ダル(メートルと同じ)ぐらいかしらね」
「50ダルか。大したことはないな。まあ、異世界で暴れたとしても大きな街が一つ壊滅する程度で済む」
「そうですわね。というわけで、失礼します」
「後で始末書を提出するように。書き慣れてると思うが」
「了解~」
一応頭を下げてから、ヘイゼルは部屋から出て行った。その背中を見送った大導師は溜息をついて事務処理に戻り、研究員たちもそれぞれの作業を再開する。
しばらくの沈黙。
「50ダルに巨大化出来る試作体が異世界に逃げただと!? 今すぐユリアを呼べっ! 大至急だ!」
先程の何倍もの大声が、魔法研究所を揺さぶった。

ある春の日の午後、平和な街に出現したのは植物を怪獣にしたような異様な生き物だった。町外れに突如現れたかと思うと、周囲の全ての建物を蹂躙しながら突き進み、住民たちを混乱と恐怖に陥れたのだが……。
「やっぱりおかしいな。俺しかいないみたいだ」
最新型のスマホで辺りを動画撮影しながら、田崎謙吾(けんご)は疑念が膨らみつつあるのを感じていた。
自宅でのんびりしていたところ、緊急速報で<怪獣>襲来を知ったのは今から30分前。千載一遇のチャンスとばかりに外に出て動画撮影を始めたのが25分前。それ以来、誰の姿も見ていなかった。
「おっかしいなあ。こんなに早く避難できるわけねえのに。でも……逆に言えば最高だよな、この状況」
普通の高校生である謙吾の最大の趣味は、動画による実況だった。といってもまさに趣味の域を出ず、視聴者はほとんどいなかった。しかしそれが今では……。
「世界中が見てるみたいだ。だよな。ビオランテみたいな怪獣が街に来てるんだからな。しかも……」
耳を澄ませばかすかに異様な音が聞こえてくる。大きな建物が破壊されるような音、不気味な重い音、そして植物に移動の自由を与えたかのような有機的な音。
植物のような怪獣は確実に近づいているようだった。
「とりあえず危なくなったら逃げればいいか。でも、それじゃ映像が撮れないし……」
率直に言って、危険はほとんど感じていなかった。たた、とにかく世界中を驚かせる映像が撮りたかった。
まずは近づいてみるか。ちゃんと姿を見たわけじゃないし……。
「あーっ! なんでまだ人がいるのよ!」
突然、背後から聞き覚えのない少女の大声が飛んできて、謙吾は首をすくめた。
「あたしの魔法が効かないなんておかしいじゃない。ちゃんと説明して!」
「お、お前……。誰だ……よ?」
振り向いて、スマホの液晶画面にその姿を映して、謙吾は新種の動物を見たかのように目を見開いた。
一見すると、ファンタジーRPGの世界などから抜け出してきたようにしか見えなかった。
白いブラウスに紺色と赤を基調とした上着とスカート、背中で揺れる同色のマントという姿は冗談としか思えなかったが、黒茶色の瞳と短めの髪が、ボーイッシュな印象を与えて中和していた。
やや背の高い謙吾から見ると小柄だったが、かといって華奢には見えず、不思議な存在感があった。
「質問の前に名乗るのが礼儀でしょう?」
少女の声はよく通った。両手を腰に当て、目と眉を吊り上げていたが、それでも魅力は損なわれていなかった。
「分かったよ。俺は田崎謙吾。で、お前は?」
「ユリア・サルウィウス。荒事始末人のユリアよ。……で、どーしてあんたがここにいるのよ。あたしの魔法で全員強制的に避難させたはずなのに」
「魔法? ……まさか、ビオランテもどきと関係あるのか?」
「びおらんて? ……試作体のことね。あるわよ。大あり。あたしはあの試作体を始末しに来たの」
「話が見えないな。……でも、お前とのやり取りは撮影させてもらってるぜ。どうやら世界中で見てるみたいだ」
「そんなのはどうでもいいの。……あ、分かったわ。あんた、何か変な物身に着けてるでしょう? 例えば古臭いお守りとか」
「よく分かったな。戦場カメラマンの親父が海外から送ってきたやつだ。よく効くお守りらしいぜ」
「はあ。それが原因であたしの魔法が効かなかったのね。お守りはあたしが預かるからあんたも逃げなさいよ。逃がしてあげる」
「断る。全世界が注目してるんだ」
「馬鹿。命あってのなんとやらでしょう?」
「そもそもお前、あのビオランテもどきどうやって始末するんだ? ……魔法を使うのか?」
「魔法も使うけど、戦うのもありね。こー見えてもあたし、ちょっとは強いの」
言い切って、ユリアは笑った。無邪気という言葉がよく似合う可愛らしい笑顔に、謙吾は心が大きく動くのを感じる。
「でも問題はそこじゃないの。あんたは逃がしてあげるからお守りを渡しなさい。それがあるとあたしの魔法は効かないの」
「嫌だね。絶対嫌だ。死んでも嫌だ」
「強情なんだから……」
眉を吊り上げ、ユリアがそこまで言った時だった。
さっきよりもはるかに近くから建物が崩壊する音が聞こえてきたかと思うと、細かい埃が派手に舞い上がった。
「あーもう。近くまで来てるじゃない。こーなったら戦うしかないわね。いいこと? あたしは試作体の相手をするから絶対に近づいたら駄目よ。いい?」
「戦うって……どうやって?」
「簡単よ。あたしも大きくなればいいんだから」
謙吾が目を丸くしている間に。
ユリアはふわりとマントを翻して走り出した。数十メートル先のやや大きな交差点まで来ると立ち止まる。
「今からここは戦場になるわ! とっとと逃げなさいよ!」
「おい、まさかここで戦うつもりか?」
「当たり前じゃない。住民たちを避難させたのはその為なんだから。さあ、いくわよ。荒事始末人・ユリアの仕事ぶり見せてあげるから!」
自分に気合を入れるかのように宣言するのと同時に。魔法使いの少女は一気に巨大化した。身長5メートル、10メートル、20メートル、40メートル……。

街破壊巨大少女幻想102

これでいいわね。試作体の同じサイズなら戦えるはずだし。
30倍サイズまで巨大化して、ユリアは魔法を止めた。辺りを見回して、眉をひそめる。既に街の一部は巨大化した試作体によって破壊されており、今も住宅が密集する地域が襲われていた。
あたしも戦ったら街が壊滅しそう。でも魔法で元に戻せるし、好き放題にやってもいいわね。問題は……。
「謙吾~。何度も言うけど逃げなさいよ。あんたまで守ってる余裕なんかないんだから」
「馬鹿言うな。俺は戦場カメラマンの息子だぜ。こんな美味しい場面逃せるかっていうんだ!」
簡単な魔法をかけたので、少年の声はよく聞こえた。しかし、逃げる気がまったくないことに思わず溜息をつきたくなる。
「別に美味しくなんかないわ。ただの荒事始末よ」
「まさかミニスカで巨大化するなんて思わな……あ」
「そっちの狙いもあったのね。……別に気にしてないけど」
ユリアの淡白な返事に、謙吾は驚きのあまりスマホを落としそうになった。巨大化していることもあって、ユリアのスカートの奥にある白いものまで丸見えだったからである。
「お前少しは気にしろよ!」
「別に。見えたって減るものじゃないし~。スカートじゃないと動きにくいの」
「これを言うと世界中を敵に回しそうだが……。せめてスパッツでも穿け!」
「隙を見せて油断させるのも戦法のうち♪」
どうやら確信犯らしい。内心ではアドバイスが通らなかったことにホッとしながらも、謙吾はスマホ越しに撮影を続ける。
全世界が注目する中で、巨大少女魔法使いと巨大魔法試作体の対決が始まろうとしていた。

……
ユリアのモデルは、「スターオーシャンセカンドストーリー」のヒロイン・レナです。外見だけでなく魔法使いながらなぜか殴り攻撃が得意という設定も好きで、参考にさせてもらいました。そんなわけで、ユリアも魔法使いながら格闘もやります。ここだけの話、キャラデザはとっても楽しかったです。気に入ってもらえれば何よりです。

次回の更新は来週を予定しています。久しぶりのイラストですのでお楽しみに。

続・過去からの挑戦者(4・完)

やっと完結編です。なんとか年内に間に合いました……。ちなみに冬コミは私自身は不参加ですので、ご了承願います。1/31のコミティアには参加するんですけどね。

……
その時、何が起きたのか舞にはまったく分からなかった。後で妹に確かめたところ、「とっても面白い顔芸」を披露していたというから、無意識の内に妹にファーストキスを奪われたことを認識していたのかもしれない。
「ゆ、由衣……?」
「あ、気がついた? お姉ちゃん巨大化したまま操られてたみたいだよ」
「操られ……あっ!」
「静かにして。操られてるふりをしてて。三佳さんを倒すには協力しないと無理だよ」
妹の言葉に、姉は沈黙のまま頷いた。ケンカは多いが、このあたりはさすがに姉妹というべきだろう。意思疎通を済ませて、舞は立ち上がる。
「お姉ちゃん、正気に戻って! あたしが分からないの!?」
すかさず由衣が声を上げる。本人にしてみればオスカー賞ものの演技だったが、実際は大根もいいところだった。それでも、すっかり油断していた三佳(とその中にいる鶴姫)はまったく気づかない。
<あーあ。悲劇のヒロインぶっちゃってる。勝てるわけないわね>
<ほんとほんと。このままレズらせて街を壊滅させるのも面白そうね♪>
巨大化した舞が、由衣の両肩を掴んだ。抵抗させることなく、力任せに半壊した高架駅に叩きつける。この一撃だけで残っていた部分も破壊され、電車は制服の下で全てスクラップと化したが、由衣はそのまま転がって今度は駅前広場まで潰してしまった。立体歩道やバスターミナルなどが潰れていく音が耳に届いて、由衣は破壊の快感に酔う。
このまま抵抗できないまま壊してしまうのもいいかも。どーせ後で全部壊すんだから……。でも、三佳さんが邪魔なのよね。
広場を陥没させながら、セーラー服姿の巨大少女・舞が歩いてきた。それこそ物でも扱うかのように由衣の巨体を持ち上げる。
楽しんでないで反撃いくわよ。
唇を動かしただけで告げられた姉の意図を全て理解するよりも早く。由衣は破壊された高架駅の反対側に立っていた三佳に向かって投げ飛ばされていた。足元では瓦礫を蹴散らしながら、思い切りラクロスのユニフォーム姿の巨大少女に体当りする。不意を突かれたのか三佳は無様に倒れてしまい、背中などでビルをまとめて薙ぎ倒す。
「ちょっと、なんでこっちに来るのよ!」
「知らないわよ! お姉ちゃんに言って!」
建前半分本心半分叫ぶと、ついでとばかりに周囲の破壊された建物の瓦礫を幾つか叩きつける。思いがけない事態に戸惑っているのがはっきりと分かって、由衣の闘志に火がつく。
「お姉ちゃん並にきれいなのが許せないっ! こーしてやるんだから!」
動けないでいる三佳をこのままにしておく道理は無かった。ブレザー制服姿のまま巨大化した少女は相手の巨体に飛びつくと、抱きついた状態のまま転がった。周囲の無傷だった建物がまとめて破壊されていき、盛大に埃が巻き上がったが、由衣はすかさず立ち上がると三佳の両足を掴むと、そのまま引っ張り始めてしまった。
「ち、ちょっと止めて! 恥ずかしい!」
「酷い目に遭わせておいてよく言うわね! お姉ちゃんにもお仕置きしてもらうから!」
「お姉ちゃん……? 操ってたのにまさか……」
「あっ、嘘嘘! あたしがどーにか……」
「馬鹿! 言ったら意味ないじゃない!」
いきなり、舞の飛び蹴りが由衣の背中に炸裂した。痛みを認識する間もなく由衣の巨体は三佳を押し潰し、下敷きになった少女は声にならない妙な声を上げる。
「もう間抜けなんだから! こーなったらあんたたちをまとめて始末してあげる!」
「お、お姉ちゃん……あたしも?」
「当たり前じゃない! ほらもっと押し潰す! ほらほら!」
三佳に覆い被さったままの妹の背中に、舞はパンプスに包まれた足を思い切り押し付けた。フラットな胸同士が密着し、なぜか由衣は親近感を覚える。
「やっぱり女の子同士が巨大化してレズってる光景は楽しいわね。ほらほらもっとちゃんとやる!」
「あーもう我慢できない! こーしてやる! ほらほら!」
「ち、ちょっとスカートをまくって何をするのよ……って、そんなところをこすりつけてこないで! か、感じちゃうじゃない!」
「由衣はわたしが言うのもなんだけど、レズっ気があるのよね。自分を男の子だと思ってるのかも」
「そんなことないわよ! でもこーしてこすり合わせてると……き、気持ちいい~♪ スパッツ同士がこすれて凄い……」
「や、やめてもう……。巨大化したまま恥ずかしいじゃない……」
「このまま建物を壊してしまうと楽しいわよ。イケナイことをしてさらに興奮するんだから」
舞が煽るのに合わせて、ふたりの巨大少女たちは抱き合ったまま街を壊していく。お互いの下半身をこすり合わせた状態で転がっては次々に建物を破壊し、押し潰していく。通りにあった車も巻き込まれて全てスクラップと化す。
「あ、いいものがあるじゃない! ほら、これを使ってみて♪」
少女たちの痴態を眺めて楽しんでいた舞だったが、破壊された高架駅に電車が落ちていることに気づいて、喜々として掴みあげた。力任せに2両だけを引きちぎると、そのまま由衣と三佳の間に挟めてしまった。もちろん、下半身同士が挟まるようにして。
「え……。ち、ちょっとなにをしたの!?」
「あ、この遊び久しぶり! 楽しいのよね~。電車で遊ぶのって。簡単に潰れちゃうけど……って言ってる側からぐちゃぐちゃ」
「な、なんか一段と興奮してきちゃった……。なにこの感覚」
「ね、楽しいでしょう? お姉ちゃんもっともっと!」
「本当に由衣はこういうのが好きなんだから。大人になったどうするのかしらねえ」
口ではそう言いながらも、舞もまた興奮を抑えきれなくなっていた。目の前でブレザー制服姿のボーイッシュな少女とラクロスのユニフォーム姿の少女が揃って巨大化してもつれ合っているのである。しかも下半身では電車を思いきり潰しながら……。
街は少女たちのレズ行為によって破壊されていくばかりだったが、最早誰も気にしていなかった。
「由衣! 代わって! もー我慢できない!」
「駄目駄目! お姉ちゃんは引っ込んでて!」
「何よその言い方! こーしてやるんだから!」
「ちょっとちょっと! 私の体の上で暴れないで!」
今度は制服姿の巨大姉妹がケンカを始めてしまった。巻き込まれた三佳は最早どうでも良くなって、ただ呆然と眺めるだけだった。
<……。何がどうなってるの?>
<お鶴ちゃん……。さあ>
<でも姉妹同士でもつれ合う光景って楽しいわね~。このまま見学しててもいいんじゃないの?>
<そうだけど……。復讐は?>
<そんなのどうでもいいじゃない♪>
それもそうね、と三佳は思った。セーラー服姿の姉とブレザー制服姿の妹が罵り合い、取っ組みあいながらも、仲良く街を破壊していく光景は見ているだけでも楽しかった。
<今度は私自身が巨大化して破壊してみようかな~。可愛い衣装も用意して♪ その時は協力してね>
<もちろん。舞たちが出てきたらこの街をリングに見立ててタッグマッチで戦うのもいいわね。めちゃめちゃになりそう♪>
もつれ合った状態のまま、舞と由衣の巨大化姉妹が三佳の方に転がってきた。軽くかわしながらも、三佳はどちらの味方をするか考えているのだった。

「ぐぬぬぬ……。お鶴まで役に立たないとは……。はあ、もう疲れた。一眠りするとするか。もうすぐ受験シーズンで忙しいからな。まったく、いつもこの時期になると忙しいのはどうにかならぬものか……」

……
やっぱり可愛い女の子が巨大化してあんな事やこんな事をしている光景は書いていても楽しいですね~。
次の更新は来週、新年早々を予定しています。その後はリクエストに応えていきたいと思っています。幾つも溜まってしまいましたからね。申し訳ないです。

ホームページ「木蘭優駿」ではオリジナル巨大娘長編小説「反逆の従者―箱庭世界の巨大少女剣士―」の連載を続けていますので是非ご覧になってください。 直近の更新分では箱庭内で巨大化しての戦闘シーンもありますよ~。

「木蘭優駿」ホームページ

続・過去からの挑戦者(3)

お久しぶりです。あれやこれやで更新が滞っていました(主に冬コミの準備のせい)。とりあえず時間を作って仕上げましたのでアップします。時間を置くと意外と描く気になるものですね。一気に書き上げました。

……
「お姉ちゃんったら何をしてるの……」
第一報を受けて、現場に駆けつけた由衣の第一声はそれだった。取るもとりあえず中学校の制服……ブレザー制服のまま来たものの、すでに街の半分近くが壊滅している始末だった。
「ラクロスのユニフォームを着てるのは三佳さんだったかな? 確かお姉ちゃんの同級生だったはず。そっちは分かるけどお姉ちゃんまで大暴れしてるなんて」
本来ならば三佳を止めるべき立場の姉が暴走しているのが最大の問題だった。今も妹の目の前で、駅前付近を蹂躙しようとしていた。
「……。止めなくちゃ。このまままだとあたしが壊す分が無くなっちゃう!」
なんとも酷い本音を漏らしてから、由衣はいつものように巨大化した。デザイナーズブランドの制服に包まれた姿で三十倍サイズになり大通りに足場を作る。足元の車などはついでに踏み潰していたがもちろん気にしていない。
「お姉ちゃんストップストップ! 戦いながら壊すのはいいけど勝手に壊すのは少し遠慮しないと駄目!」
セーラー服姿のままで巨大化した舞が駅前広場に足を踏み入れようとしていることに気づいて、由衣は後先考えずに突進した。道路上の車は全て蹴散らし、電線なども断ち切ったまま後ろから姉に組みつく。
「もう、何をしてるのよ! いつもはもう少し遠慮しないと駄目なんて言ってるくせに……きゃっ!」
突然、手加減なしに投げ飛ばされて、由衣はろくにな受け身をも取れないまま転がった。駅前通りに面していた建物がまとめて巻き込まれ、瓦礫が周囲に散乱する。ブレザー制服に包まれた背中は建物を直撃して、窓カラスを粉々に砕く。
「お姉ちゃん……。痛いじゃない!」
姉の反撃は、妹の心に火をつけただけだった。さらに周囲の建物を破壊しながら立ち上がると、大きな瓦礫を両手で持ち上げる。
「ケンカなら負けないんだから! えいっ!」
そう言い放ちながら瓦礫を舞の背中目掛けて投げつける。避けもしなかったので簡単に命中し、かつてビルだった瓦礫は粉々になる。
「そっちがその気ならあたしも本気でいくから! もっともっと……」
ポニーテールにした髪を揺らしながら、舞が振り向いた。その瞳にはいつもと違う光が浮かんでいた。
「お姉ちゃん……。あ、ち、ちょっと待って!」
本能的に危険を悟った時には手遅れだった。俊敏な動きで舞が組み付いてきたかと思うと、そのまま由衣の巨体を交差点の真上に座り込ませてしまったからだった。チェックのスカートの下で歩道橋が潰れ、巻き込まれた車が複数爆発して火柱と黒煙を盛大を吹き上げる。それでも姉は妹を組み伏せようとするので、再び背中でビルなどを壊す羽目になってしまう。
「いつもより力が強い……? どうなってるの?」
パンプスとソックスに包まれた両足でさらに建物をまとめて壊しながら、由衣は戸惑っていた。姉はいつもとは別人にしか見えなかったが、原因は思いつかなかった。
とにかく、お姉ちゃんを何とかしないと……。このままだと街が壊滅して遊ぶことも出来なくなっちゃう。
そんな事を考えている内に、由衣は無理やり身体を起こされていた。抵抗する方法を見つけられずにいる内に、駅前に展開する大型の商店街目掛けて突き飛ばされる。アーケードも持つ立派な施設だったが、ブレザー制服姿の巨大少女を受け止めることは不可能だった。
少女の全体重を受け止めてアーケードは無残に崩落し、建物は巻き込まれて全て瓦礫になる。とっさに伸ばした手足はさらに小さな店などを破壊し、一部を炎上させる。
「ひっどーい、めちゃめちゃにしちゃった……。ここよく買い物に来るのに。お気に入りの店も壊しちゃった」
瓦礫の上に座り込んで、由衣はちょっとだけ後悔していた。
「……でも、こうやって壊すのも楽しい♪ なんかイケないことをしてる気分になるし」
そう言いながらわざと転がる。さらに建物が壊れていく音がして、由衣はスカートの下で何かが疼くのを感じる。
いつものことだけど壊すのは楽しい♪ この制服姿で暴れられるのが最高! ……って、それどころじゃなかった。
何かに取り憑かれたような目をした姉が、無造作に半壊したアーケードを壊しながら向かってくるのが見えて、由衣は慌てて逃げ出した。何とか立ち上がり、盛大に建物を破壊しながら駅の方へと逃げる。舞の手が伸びてきたが、何とか振りほどいて駅前広場で立ち止まる。
「いいざまね。姉に狙われるのはどんな気分?」
「三佳……さん?」
声をかけてきたのは、別の場所で勝手に暴れていたはずの三佳だった。鉄道の高架線を挟んで反対側に立っていたが、その背後は既に壊滅状態だった。タワーマンションは中央からへし折られ、ビルなどが立ち並んでいた地区は原型を失ってただの瓦礫と化している。その上、一部は盛大に炎上して黒煙を吹き上げていた。
「この前は散々な目にあわせてくれたわね。今回はそうもいかないわよ。なんたって舞はこっちの操り人形なんだから」
「操り人形……あっ!」
姉から注意が逸れていることを思い出した時には手遅れだった。両肩を掴まれて、そのまま背後にあった高架駅に押し付けられたからだった。制服に包まれた巨体の下で、瀟洒な建物は簡単に破壊されていき、ホームなどもむき出しになる。
「姉妹と言っても力の差は大きいわね。勝てるかしら?」
「お姉ちゃんなんかに……負けたりしない!」
「強がってるけど、何も出来ないじゃない。いいざまね。さて、私はこの駅を壊してしまうわよ♪」
既に街の半分を壊滅させても物足りなかったこともあり、ラクロスのユニフォーム姿のまま巨大化した三佳はすぐに大暴れを再開した。まずは建物に思い切り蹴りを食らわせる。それだけで一部がむき出しになったのを確かめると、今度は両手を突っ込んでむしり取ってしまった。
「あ、電車があるじゃない。これで遊んでみたら面白そう」
平然と言いながら、一部が破壊された電車を掴み上げる。しばらく興味深そうに眺めていたが、由衣が抵抗むなしく舞に押し倒されたを見ると、加担してその上に叩きつける。
「どう? 電車で叩かれる気分は? いつもそうやって遊んでるんでしょう?」
「遊んでなんかいない……わよ。こっちは一応正義の味方なんだから」
「街を壊して遊ぶのが好きな正義の味方の間違いでしょう? いいざまね。ブレザー制服のままで巨大化したのに駅を壊しながら横になってるんだから」
「あたしは……負けたりしない!」
「強がりもいつまでもつかしら? 舞、もっと好きにしていいわよ」
操られたままの舞は、三佳の命令に忠実だった。駅の瓦礫の上に転がったままの妹目掛けてフライングボディプレスを食らわせると、そのまま組み伏せて転がってしまったからだった。
姉妹の制服のスカートが派手に翻り、それに合わせて高架線の駅がめちゃめちゃに破壊されていく。電車がまとめて落下し、制服に押し潰されてスクラップと化す。
「いい絵ね。制服姿のまま巨大化した姉妹が派手に建物とかを壊しながらレズってるんだから♪ このままぜーんぶ壊してもいいから」
由衣の反撃も封じて、三佳はすっかり上機嫌だった。このまま制服巨大姉妹のレズ行為で街を壊滅させてしまうも楽しいかもしれない。そんなことまで考えていた。
一方、由衣の方は舞の圧力に完全に屈していた。豊かで弾力がある胸をフラットな自分の胸に押し付けられるのも癪だったが、何よりも何もできないのが嫌でたまらなかった。
とにかくお姉ちゃんを元に戻さないと……。あたし一人じゃ勝てるわけない。でもどうやって……。
気がつくと、姉の顔が目の前にあった。同じ血を分けた姉妹なのに似ていないと評判の姉の顔。可愛らしくてポニーテールがよく似合うと性別を問わずに評判の姉の顔。
やっぱりお姉ちゃんって可愛い……。あたしなんか男の子みたいって言われてばかりなのに。でも、あたしが本当に男の子だったらお姉ちゃんに惚れてるかな……。
不思議な感情がこみ上げてくる。姉をこういう目で見たのは初めてだった。
あ、いいこと思いついた。どうせお姉ちゃんは操られてるんだし、試しにやってみるのもいいかも。上手くいけば……。
思うのと行動が同時だった。
軽く顔を上げて、由衣は姉の唇に自分の唇を重ねた。

……
このSSは次回で完結します。年内で終わりにしたいですが、出来るかどうか……。

次回の更新は来週、イラストを更新します。まだまだ在庫はありますのでお楽しみに!(けっこういいイラストを描いてもらえましたw)

続・過去からの挑戦者(2)

実は書き物があれこれ重なっていて、少し大変な状況になりつつあります。まあ、冬コミもありますからね(ぼそっ)。
それはとにかく、SS本編に行く前にお知らせ。
1年4ヶ月に渡って休筆していましたが、「反逆の従者―箱庭世界の巨大少女剣士―」の連載を来週からホームページ上で再開します! ようやく発表できる分の量がまとまりました……。まずは第4話「鮮血の夜明事件」を掲載した上で、続いて第5話「花火」も掲載したいと思っています。

「反逆の従者」第4話と重なってしまったことから少し大変でしたが、「続・過去からの挑戦者」第2話いきます。

……
声をかけてきたのは言うまでもなく舞だった。まだ学校にいたのか洒落たデザインのセーラー服姿のまま巨大化して瓦礫の上に仁王立ちになっていた。
「やっぱり来たわね。この前は負けたけど、今度はそうもいかないわよ。この街は私がぜーんぶ壊してしまうんだから」
「ひっどーい。この街はわたしの獲物なのに」
「……。その性格は変わってないのね」
「当たり前じゃない。この可愛い制服姿で巨大化して暴れる機会を待ってたらあんたが巨大化したから出撃したのよ。とっとと終わらせて好き勝手に遊ぶんだから!」
言い切るのと同時に。ポニーテールにした髪を揺らして巨大化した舞が踏み込んできた。姿勢を低くして、三佳のミニスカートに包まれた太ももを掴む。
「あっ……」
「甘いわね!」
勝ち誇ったように言いながら、頭を押し付けて力任せに押し込む。バランスを失って、巨大化したラクロス少女は近くにあったコンベンションセンターの駐車場にしりもちをついてしまった。ヒップの下で車がまとめて潰れる感覚がしたが、楽しんでいる余裕はなかった。そのまま両肩を掴まれて、コンベンションセンターの建物に叩きつけられてしまったからだった。
「酷いわね、もう……」
<ちょっとちょっと、何事? 別の巨大少女が襲ってきたと思ったらこんな目に遭うなんて……>
<さっき話してた巨大能力を持つ私の友達よ。姉妹揃って凶悪なんだから……>
<そういうことだったのね。だったら力を貸してあげる>
心の中で声を返すよりも早く。三佳の腕が勝手に動いたかと思うと、舞の両腕をしっかりと掴んだ。
「えっ……?」
「油断大敵!」
自分は何もしていないのにも関わらず、三佳が宣言するのと同時に。舞のセーラー服に包まれた巨体が大きく揺らいだ。プリーツスカートがまくれて短いスパッツが丸見えになったが、そのまま背中から駐車場に転がってしまう。残っていた車が潰れて、一部が爆発炎上する。街灯なども全て薙ぎ倒され、アスファルトには無数のひびが走る。
<お鶴ちゃん、後任せたわよ>
<了解!>
心の中だけで短いやりとりを済ませ、鶴姫の操る三佳は立ち上がった。背中からは破壊されたコンベンションセンターの瓦礫が落ちてきたが、構わずに転がったままの舞を蹴り上げる。為す術無く、巨大セーラー服少女は転がって、無傷だった住宅街を破壊してしまった。
「この程度では済まさないわよ……」
三佳の唇から紡がれた言葉には、鶴姫の声がオーバーラップしていた。しかし、何とか目を覚ました舞は中腰のままその場から逃れようとするだけで気づいていない。
「格の違いってやつを見せつけてやるんだから!」
舞が背中を見せていることを気づいて、三佳……鶴姫は一段と加虐的な気持ちに駆られた。簡単に追いつくと、背中から組みついて無理やり起こしてしまったからである。
「そ、そんな……。動けない……」
「それで勝つつもりだったの? 巨大な正義の味方さん」
「……。あんた、誰? 三佳じゃないでしょう?」
「すぐに気づくなんて勘がいいわね。ご褒美にこうして上げる!」
一瞬の出来事だった。三佳(鶴姫)は正面に手を回して、舞のふっくらとした胸を鷲掴みにした。
「あっ……。そ、それは止めて! 感じちゃう……」
「凄ーい。幼い顔をしてるのにこんなに大きい子なんて初めて♪ 凄く気に入っちゃった」
<ちょっとちょっとお鶴ちゃん! 何してるの!?>
<邪魔しないでよ。遊んでるのに>
<まさか女の子が好きなの?>
<そんなことないわよ。男の子も好きよ>
<も?>
<どっちも同じぐらい好きなの♪>
実は単に物好きなだけの鶴姫の言葉に、三佳が呆然としている内に。巨大化したふたりの少女は街を破壊しながら遊び続けた。
舞を背中から抱きしめたまま住宅地を蹂躙し尽くすと、目についた高層マンションに正面から叩きつけたからである。セーラー服に包まれた巨体が建物を大きく揺さぶり、ガラスが派手に砕け散ったが、三佳(鶴姫)は手を抜いたりしない。今度は体の向きを変えて背中から叩きつけてしまったからである。抵抗することも出来ずに巨大化した舞はマンションを破壊しながら、その場にしりもちをつく。
「この程度では済ましたりしないから」
盛大に舞い上がった埃をかき分けながら、巨大なラクロス少女は新たな遊びを始めた。道路に大型のトラックが横転していることに気づくと、それを持って舞のセーラー服に包まれた胸の間に挟んでしまったからだった。
「あっ……。そ、それは……。うふっ♪ ち、ちょっと気持ちいいかも……。このままイキそう……」
「やっぱり大きい方が面白いわね。この子の身体だとこうもいかないし」
<悪かったわね! ひんにゅーで。運動する時はデカイ胸は邪魔なだけなんだから!>
<別に気にしなくてもいいじゃない。でも面白いでしょう? こういう遊びも>
<そうだけど……>
何かおかしな方向に進んでいるような気がして、三佳は心の中だけで首をひねった。
ま、いいか。お鶴ちゃんに任せておけば舞なんてイチコロだから。
舞のセーラー服に包まれたふっくらとした胸に大型トラックを挟んで遊んでいた鶴姫だったが、すぐに新しい遊びを見つけた。
興奮と愉悦によって腑抜けになってしまった舞の身体を起こすと、そのまま遊園地の方へと連れて行ったからである。
<何するつもり?>
<この子でもっと遊んじゃうの♪>
<まあ、いいけど……。何をする気?>
<それはね……こうするの!>
次の鶴姫の行動は、三佳すらも予想外だった。身動きを取れない舞の巨体を無造作に遊園地の内部に転がすと、なんとその胸を使って遊具などを壊させ始めたからである。
<ほへ~。凄い、胸だけでこんなに壊せるなんて。舞ってどんだけ大きいの?>
<大きいっていうより弾力があるのよね。柔らかくてしなやかで、程よく大きくて。こんなにいいおっぱい初めて♪>
鶴姫が喜んで応える間にも、舞はどこか取り憑かれたような目で遊園地の破壊を続けた。
大型の観覧車はスカートにも構わず蹴り倒して、その上に座り込んだだけで止めを刺す。
ジェットコースターのレールは軽く足で振り払ってバラバラにすると、その上に屈みこんで今度は手で壊してしまう。
立ち並ぶ施設は屈みこんで、セーラー服に包まれた美巨乳でもって次々に破壊してしまった。
<うわ~。五分もかからずに壊滅しちゃった。この遊園地結構大きいのに>
<さすがは正義の味方。こっちに引き入れてしまうと破壊力も抜群ね>
<あっ……。舞何も言わないけど、どうしたの?>
<さっき大型トラックで遊んだ時に自分の意志で破壊行為をするようにちょっとした術をかけたのよ>
<そんなことも出来るんだ……>
<私は巫女でもあるんだから色々な秘術を知ってるのよ>
一部はきっと18禁指定ものだろうな~ととりとめなく三佳が考えている内に、操り人形と化した舞は、壊滅した遊園地を後にして何も壊されていなかった商業地区を破壊し始めた。その口元には笑みが浮かんでおり、三佳は見ているだけで興奮するのを感じる。
<お鶴ちゃん、私も壊したい~>
<いいわよ。じゃ、バトンタッチ。敵はいないし好きなだけ壊してもいいわよ>
<♪>
自分の身体の主導権を取り戻して、三佳もまたラクロスのユニフォーム姿のままで工業地帯を蹂躙し始めた。爆発や炎上が次々に発生し、黒煙が吹き上がったが楽しくて仕方なかった。
<……。何か忘れてるような気がするけど、まあいいか>
こうして。守られるはずの街はふたりの巨大少女のおもちゃ箱と化していったのだった。

……
思ったより長い話になってしまいました。ちなみに胸壊しネタは契音さんから提供してもらいました。次のリクに応える時もちゃんと入れますのでご安心を。にしても、今回のSSでこのネタが出来るのは舞だけ。ということは、他の二人は……。

次回の更新は来週、久しぶりにイラストをアップします。もしかすると、同時に自作の巨大娘イラストもアップするかも?
お楽しみに!
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Author:小笠原智広
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