姫海棠はたての逆襲(前編)

2ヶ月ぶりの更新です……。SSを書こうとしたらなんだか調子が上がらず、ずるずるになってしまいました。私は元気ですのでご心配なく(笑)。

というわけで、やっと書き上げたSSをアップします。今回は東方から天狗の姫海棠はたてを主人公にしてみました。はたてが誰に対して逆襲するのか……まあ、バレバレですけどね。今回は1回目ということで、巨大なはたてちゃんの大暴れをお楽しみ下さい。
文もいいけど、どこかやんちゃな性格のはたても結構可愛いと思うのは私だけでしょうか?

……

「うーん……。噂には聞いてたけど、やっぱり凄いわね」
仮想空間、とかいうどこでもない場所に降り立って、姫海棠はたては思わず頭に手をやった。
周囲に広がっているのはミニチュアのように小さな外の世界の町並み。正確に言うならば、はたてが約50倍サイズに巨大化しているのだった。
「この街を好きなだけめちゃめちゃにしてもいいなんて言ってたけど、いざとなると結構大変そう。ていうか、本当にいいの?」
自分の腰の高さぐらいまでしかないビルに手をかけて、はたてはぼやき半分つぶやいた。
幾らあの妖怪の賢者が「記事のネタに困ってるんだったら遊んでいってもいいのよ」と言ってくれたとはいえ。
「なーんか裏がありそうな気がするのよね。あのスキマ妖怪、何考えてるのかはっぱり分かんないし。でも……」
鴉天狗の少女の口元に、加虐的な笑みが浮かんだのはその時だった。
「遊んでいいってことは何をしてもいいってことよね。さっそく、遊ばせてもらおうかしらね」
新聞発行のライバルである別の鴉天狗の顔を浮かべて、はたては決意を固めた。
<彼女>はまだこの空間で遊んだことがないだろう。
先に遊んで、その体験を記事にしてしまえばこっちのものだった。

巨大化したはたてが最初に目をつけたのは、自分が足場にする交差点のすぐ近くある高架式の駅だった。かなり大きなもので、ターミナルや歩道橋による通路も見えたが、破壊衝動が心を満たしつつある少女にしてみれば、ただの獲物にしか見えなかった。
まずは高下駄に包まれた足で、駅前のロータリーに足を踏み入れる。当然のことながらクルマやバス、タクシーなどが停まっていたが、巨大化した天狗の少女にしてみれば邪魔でしかなかった。構ったりせずに全て踏み潰し、蹴り上げたからである。簡単に全てスクラップになり、一部が爆発炎上したりしたが、はたてにはそれが気持ちよかった。
へえ、面白いわね。こーんなに簡単に壊せるんだから。無敵じゃない。
そう思うと、最早破壊衝動を抑えることは不可能だった。そのまま駅前広場を完全に壊滅させてしまうと、高架式の駅目掛けて豪快なキックを放つ。短いチェックスカートがふわりと翻り、建物は一部が吹き飛んで無残な姿を晒す。それを見たはたては、壊した部分に拳を振り下ろして派手に壊してしまうと、さらにそこに足を踏み入れてしまった。スカートから伸びる足が抵抗もなく建物内に入り、階層をぶち抜いていく。
ここからこんなことをしたりして……。あーバランス崩しちゃった。
心の中の言葉はわざとらしかったが、やった事は最悪だった。もう片足も入れようとして、はたてはわざと建物目掛けて倒れこんだからだった。ブラウスに包まれたふっくらとした胸が建物を押し潰し、とっさに伸ばした両手もホームなどを破壊する。そこには電車もあったが、巻き込まれて一部が破壊されてしまった。
それでも巨大化したはたては破壊活動を止めなかった。ぼろぼろと瓦礫を落としながら体を起こすと、右手で電車を掴んだからである。連結されたままだったので、無理やり引きちぎり、二両分だけを手にすると今度はそれを武器に駅をめちゃめちゃにしてしまった。
「あーあ。やっちゃった……。簡単すぎるじゃない」
それから数分後。大型の高架駅はただの瓦礫と化していた。多くのホームがあった地上部も高架部も全て破壊されて原型を失い、壊されたり武器にされた電車が無残に散らばっている。その中央で、50倍サイズに巨大化したはたては悠然と立っていた。
「さーて。この調子で全部壊してしまうんだから!」
最後まで手にしていた電車を投げ捨てて、はたては新たな破壊活動を開始した。壊したばかりの建物などを高下駄でさらに蹴散らしながら、降り立ったのとは反対側の駅前広場に面した建物に襲いかかったからである。
立ち塞がる建物は全てキックや拳で粉砕し、原型を失ったビルは両手をかけて押し倒す。それだけで、周囲の低層の建物などもまとめて破壊されてしまう。
あ、一部が炎上してる……。まあ、当然よね。こんなに派手にやったんだから!
立ち上る炎と煙を軽く手で振り払い、巨大化したはたては笑いながらさらに破壊活動を繰り広げた。
駅前広場に停まっていた車は全て蹴飛ばしたり踏み潰したりして破壊する。
その上を通っていた歩道橋は引き抜いて手で持つと、周囲に立ち並ぶファッションビルなどを完全に破壊する。
最後まで残った大型のデパートに至っては、豪快に蹴りを入れて壊してしまうと、チェックスカートに包まれたピップで座り込んでしまい、そのまま壊してしまった。
「気持ちいいわね、本当に。無敵無敵!」
取材道具である携帯電話のカメラで瓦礫の山と化した周囲や、その上に無造作に座り込む自分を写したりしながら、はたては心の底から満足していた。
最近、本業の新聞記者の方ではライバルの文に負けてばかりいたが、そのうさも少しは晴れたような気がした。
「あ、写真いい感じで撮れてるじゃない。まるで私が怪獣みたいだけど……ま、いいか」
スカートから瓦礫の破片を落としながら、はたては立ち上がった。改めて周囲を見回して自分の破壊力を確かめると、加虐的な笑みを浮かべる。
まだまだ壊してしまうんだから! で、後で念写して映画のスチールみたいな写真も撮れば……。臨時増刊版も作れそうね。
怪獣のように暴れる自分がトップを飾る新聞を想像して、思わずにやついてしまった時だった。
「あややや……。なんではたてが巨大化してるの……?」
聞き慣れたライバルの小さな声が耳に届いた。


……

次回は久しぶりにイラストをアップします。ストックも溜まってきましたが、ゆっくり公開していきたいと思います。次回更新は来週の週末、その次の週にSSの続きを更新する予定です。お楽しみに!
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コメント

非公開コメント

2013

巳年、2013第1弾の公開ですね。

今年もSS・イラストを楽しみにしてますよ。

☆リクエストさせて貰ったSSの完成を楽しみにしてます。

No title

>神風様

大変遅くなりましたが、ようやくスタートです。SSはもう少し待ってくださいねw キャラデザも考えていますので。

今更ですがあけましておめでとうございます。はたてSS待ち望んでいました。彼女の暴れ方は他の娘達よりも妙な色っぽさのようなものを感じたりw後編も楽しみにしています

おお!!

キャラデザ2弾を検討中とは嬉しいです。

楽しみに公開日を待ってます。

☆東方勢で未経験勢力って、白玉楼・命蓮寺・迷い竹林勢・神霊廟かな?

No title

>ガリクソン様
はたては文と違った魅力があると思います。そんなはたてが続きでどうするか……お楽しみに!
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