異郷の吸血鬼は幻想郷の夢を見る(2)


まずはお知らせから。いよいよ来週に迫ったコミックマーケット82にて、オリジナル巨大娘長編小説「港町の守護巫女」を新刊として出せることになりました。入稿も無事完了し、後は本番を待つだけとなっております。この前のブログにも書いていますが、今回が夏コミ前最後の更新となるので、もう一度サークル情報などを以下に掲載します。

8月12日(日)(3日目) 西地区"は"-03b 「白鳳企画」

文庫サイズ(カバーはありませんが、表紙はカラーです)で352ページ、頒布価格は700円です。かなり大量に持ち込む予定ですが、転売防止のためにもお一人様3冊までとさせてもらいます。また、関東より西のイベントにもサークル参加する予定です(9月の名古屋コミティア、10月の関西コミティアなど)。
通販については要望がありますので、私自身の手作業で行いたいと思います。個人情報を取り扱うことになりますが、本業でその重要さは叩きこまれておりますので、慎重に行いたいと思います。詳細についてはまたこのブログで連絡します。夏コミ本番では私自身がたいてい店番をしていますので、お気軽に声をかけてください。このブログを楽しんでくださる方との交流も非常に楽しみにしています。


さて、今回は前回も予告したように異郷の吸血鬼姉妹編の中編です。既に姉のロッテについては紹介していますが、今回は妹のリオンについて紹介します。キャラクターのイラストはもちろん私が描きました(やや前になりますが……)。

街破壊巨大少女幻想45

-守るべきものを知らない守護者-
ミアキス・リオン
能力 : 全てを守護する程度の能力
危険度 : 極高
人間友好度 : 低

幻想郷の近くにある平行世界・アヴァロンファンタジーに住む吸血鬼で、「白い塔の館」の主人であるミアキス・ロッテの実の妹。まだ「守るべきもの」を見つけていない為、その能力は8割程度しか使えず、しかも制御不能になって暴走することもある(それでもEXボス級の実力を誇る)。性格は無邪気ながらもヤンデレ気味で、強大な力を無造作に開放することもある。ただ、姉であるロッテのことは慕っており、彼女の言うことならばたいていは聞く。人間に対する興味は無く、ロッテと一緒の時以外に会うのは非常に危険である。

やっぱりキャラデザは楽しいですね(笑)。ちなみに設定については神風さんの出して下さったものを元に私が作っているのはロッテと同じです。

……とまあ、枕はここまでにして。SSいきます。

……

 振り向くよりも早く、ロッテはある種の恐怖を感じた。
 声をかけてきた少女は強い。
 鋭い直感が警告を発していたが、まだ幼いリオンはまったく気づいていなかった。履き直したばかりのローファーで瓦礫を踏み潰しながらくるりと振り向いたからである。
 そこにいたのは、赤い衣装に身を包み、金色の髪を持つ小さな少女だった。もちろん巨大化して、道路上の車を踏み潰していた。
「あんたこそ誰よ?」
「私を知らないの? 私はフランドール・スカーレットよ」
「フランドール……」
 聞いたことがある名前だったが、すぐに思い出せなかった。それよりもリオンが気に入らなかったのは、その態度だった。誇り高きミアキス一族を前にして、少女は頭を下げようとしないのだから。
「生意気ね、あんた。私がミアキス家のリオンと知ってるの?」
「知らない。それより、私の遊び場を勝手にめちゃめちゃにしない でよ」
 その言葉が攻撃の合図となった。少女……フランは車を全て蹴散らしながら、リオンに飛び掛かってきたからである。びっくりした異郷の吸血鬼は何もできず、無傷だった建物をまとめて薙ぎ倒しながら転がる。
「リオン!」
「あんたは遊び相手にちょうどよさそうね。幾らめちゃめちゃにし
 ても壊れないようだから」
 フランはドロワも丸見えにしながら、リオンにのしかかっていた。直感で相手の能力に気づいたのだろう。一瞬八重歯を見せながら舌なめずりをする。<本気で>遊んでも壊れそうにない相手は久しぶりだった。
「な、何が言いたいのよ!」
「この街を壊しながら私が遊んで上げるって意味よ!」
 一瞬の内にフランが立ち上がった。呆然とするリオンの身体を片手だけで持ち上げると、笑いながら投げ飛ばす。その先にあったのは、鉄道のタンク車が留置されたヤードだった。
「リオン!」
 ロッテが声を上げたときには遅かった。半ば物と化して、巨大化したリオンはタンク車を盛大に破壊しながら転がったからである。巻き込まれた車両の一部が爆発して、派手な火柱と煙が吹き上がり、スカートから伸びる足は周囲の建物の屋根を蹴破る。ピンで留めていたベレー帽は駐車場に落ちて車のガラスを全て割ってしまう。
「楽しいわね。まだまだ遊んであげる♪ 幾らコンティニューして もいいから」
「待ちなさい! 私が相手するわ!」
「あ、もう一人いたんだ。弱そうなのが」
「くっ……」
 最愛の妹が酷い目にあっているというのに、ロッテの足はまったく動かなかった。フランとの力の差が歴然としていることを理解しているだけに手を出せないでいたのだ。
 しかし、妹を守らないという選択肢は存在しなかった。
 フランが無造作に建物を壊しながらリオンの方に向かっていることに気づくと、近くに立っていた高圧電線塔を地面から引き抜いて投げつけたからである。
「……何するのよ」
 電線等はフランの背中に当たって壊れただけだったが、足を止めるには十分だった。そこに隙をみたロッテは白いブーツに包まれた足で地面に足跡を作りながら突撃する。そのままタックルしてリオンに対する興味を逸らそうとしたのだが。
「ふん」
 その反撃は、フランが腕を振っただけで潰れた。少女の右腕に直撃された途端、ロッテは半ば意識を失って弾き飛ばされたからである。盛大に住宅を破壊して、背中でマンションを壊してようやく止まる。力の差はあまりにも大き過ぎた。
「あんたはそこで妹がお仕置きされるのを見てるといいわ」
「貴方……それでも誇り高き吸血鬼一族なの?」
「あいつみたいな事を言うのね。私はただ遊びたいだけなのに」
 歪んだ笑みを浮かべてフランは答えると、ヤードで貨物列車を盛大に潰したまま横になるリオンに襲いかかっていった。
 まずはいきなり、まだ無事だった貨物をまとめて掴み上げると、リオンのわずかに膨らんだ胸の上に乗せる。何をするのか分からず唖然とするロッテに構わず、巨大なブラウスの上を走らせてしまった。その刺激に反応したのか、リオンはようやく身じろぎをする。
「目を覚ましたみたいね。でも、まだまだ遊ぶんだから」
 瓦礫をばらばらと落としながら、フランが立ち上がった。手だけで反撃する相手に構わずスカートから伸びる細い足をつかまえると、なんとそのまま引きずり始めてしまった。
「リオン!」
「お姉さま……助けて!」
「仲がいいわね。……なんだか憎たらしくなってきちゃった」
 異郷の吸血鬼姉妹に自分と姉の関係を重ねたのだろうか。フランの心に凶暴な衝動が芽生えたのはその時だった。
 リオンを引きずるのを止めると、なんとそのまま力任せに振り回してしまったからだった。きれいな衣装に身を包んだ少女の巨体が凶器となって周囲の工場などを破壊する。大型の煙突が何本も倒れ、プラントを破壊して爆発炎上させる。
 その照り返しを受けるフランの横顔には凶悪な笑みが浮かんでいたが、まだ気が済まなかったのだろう。海に面した場所に造船所のドックがあるのを見つけると、建造中の船の真上にリオンを落下させてしまった。大型の船は巨大少女の全体重を受け止めて中央から潰れ、腕や足が周囲のクレーンや施設を派手に薙ぎ倒す。
「私の可愛い可愛いお人形さん、遊んであげる♪」
 ロッテがあっと思う間もなかった。フランは瓦礫を蹴ってジャンプすると、リオンめがけてボディプレスを敢行したからだった。気を失っているのか、異郷の吸血鬼はぴくりと動いただけだったが、フランは笑いながら相手の身体を抱きかかえる。
「ふふ。やっぱり可愛いわね」
 破壊された建造中の船とドックをベッドの代わりにして、フランは<人形>の柔らかな頬にキスをした。吸血鬼だけに同性愛傾向があるのだろうか。そのまま全身を愛撫し始める。
「うっ……。あふっ……。や、止めて……」
「気持ちいいわね。まるで私が私を相手してるみたい」
「もう……止めて!」
「嫌。あんただって本当はこうやって楽しみたいんでしょう? 分 かるんだから。同じ吸血鬼なんだし」
 フランの言葉の槍は、正確にロッテを貫いた。もしかすると、自分はリオンが酷い目にあっているから声を上げているのではなく、独占されているから嫌になっているのではないか。
そんな疑念が浮かんだときだった。
「異郷の吸血鬼っていうから少しは期待してたのに……弱いわね」
 いかにも人を見下したような新たな声が、ロッテの耳に届いた。同時に、赤いパンプスと白いソックスに包まれた足が視野に入ってきたので、慌てて顔を上げる。
「あ、貴方は……!」
「あんたから名乗りなさいよ。今の私はあんたを好きに出来る立場
 にあるんだから」
「……。ロッテ。ミアキス・ロッテ」
「やっぱりそうだったのね。私の名前はレミリア・スカーレット。 異郷に帰っても忘れないことね!」
 薄赤色のワンピースに小さな身体を包んだ少女吸血鬼……レミリアがロッテを無理やり立ち上がらせたのはその時だった。抵抗する間もなく、まだ壊していなかった住宅地の上に転がされてしまう。
「な、何をするの!」
「吸血鬼は私たちスカーレット一族だけで十分ってことよ!」
 相手にまったく友好的な雰囲気が感じられないことにロッテが絶望するよりも早く、瓦礫の上に転がったままの巨体に電線塔が叩きつけられてバラバラになった。
 しかし、衝撃のあまり、ロッテは無抵抗のままだった。

……

次回は夏コミの後に更新します。ブログ開設3周年ですので、ある意味おなじみになりつつあるあの巨大少女のイラストをアップしますのでお楽しみに!
それでは、夏コミでお会いしましょう!


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コメント

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誇りをかけて

共に一族の誇りをかけて戦うのよ。

一族を率いる長として、無闇に降伏するは負け犬よ・・・

み~

次回更新楽しみです。

キャラデザイン良かったです。

返事が遅れてすみませんw

>神風様
夏コミではありがとうごさいました!
やっぱりというべきか後編までもつれてしまいました。次回はまさに一族の誇りをかけた(巨大な)戦いが展開します。あと、ロッテとリオンが揃って登場しているイラストも描く予定です。あれから絵柄が大きく変わってしまったので、もう一度描いてみたいと思っていますので(もちろん巨大化バージョン)。お楽しみに!
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小笠原智広

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