不思議の国の少女(4)-遊園地の戦い(前編)-

言ったそばから更新速度が落ちました。実は冬コミに向けた水面下での作業が本格化していまして、少しだけ余裕が無くなってきました(ちなみに今作業しているのは、巨大娘とは関係ありません)。それでも、極力更新は続けます。来てくれる方も多いですし、拍手も励みになりますので。
というわけで、連載SS第4回です。ついに二人の巨大少女が戦ってしまいます……。

……

「どう? 貴方がちっとも私に敵わないのは分かったかしら?」
悠然と、真夜が声をかけてきたのは、アリスが回想を終えた直後のことだった。
その方向を見ると、ボーイッシュな巨大娘は武器代わりの高圧電線塔を肩にかけて笑っていた。
「でも、私も鬼じゃないからちゃんと機会を与えて上げる。この遊園地とそ周囲を舞台に戦って勝ったら、1回捕まえた事にするから」
「本当なの? 勝っても約束は無しと言うのは嫌なのよ」
「それはないよ。まあ、勝ってから言う事だね」
何も言わないまま、亜梨子は手にしていた高圧電線塔を握り直して構えた。
自分でもとんでもない事をしているという意識はあったが、罪悪感を覚える余裕はなかった。
「そろそろ始めるかい? じゃ、いくよ!」
真夜が宣言するのと同時に、ついに巨大化した二人の少女による最悪のバトルが始まった。

最初に仕掛けたのは、亜梨子の方だった。
長い黒髪を揺らし、制服のスカートを翻しながら真夜に襲いかかったからである。
足元では停まった木の葉のように蹴散らされ、一部が爆発炎上したが、その煙すらもかき分けながら手にしていた電線塔を振り下ろす。
しかし、真夜はそれを読み切っていた。
「だから直線的な動きでは勝てないって」
平然と言い切ると、バランスを崩した亜梨子に足払いをかける。
たったそれだけで巨大化した制服少女は派手に転んで、そのままの勢いで遊園地の正門を背中で破壊する。
瀟洒に飾りつけられたそれも簡単に崩壊し、瓦礫と化したが、亜梨子はすぐに上半身を起こした。
そこから反撃に出ようとしたが、真夜は容赦しなかった。
悠然と近づいてくると、いきなり高圧電線塔を叩きつけてきたからである。
痛くないとはいえ衝撃はまるで吸収できず、亜梨子はスカートも半分まくれた状態のまま遊園地の敷地内へ転がる。
身長50メートル近い巨体の下で次々に小さな施設や壊されていき、伸ばした手や足が、立ち木などをなぎ払う。
「いい感じいい感じ。綺麗な遊園地をめちゃめちゃにしてしまう巨大な制服少女。こういうのが見たかったんだから」
勝手な事を言いながら、真夜も遊園地に足を踏み入れた。
スニーカーに包まれた足で瓦礫を蹴散らしながら、体を起こしたばかりの亜梨子を無理やり立ち上がらせる。
「こんないけない事をする女の子にはお仕置きが必要だな。それっ!」
巨大化した制服少女が抵抗する余裕も無い速攻だった。
思い切り力を込めて突き飛ばされて、背後にあったジェットコースターのレールの上にしりもちをついてしまったからだった。
派手な音が響き渡り、白いレールは簡単に崩壊してしまう。
「やったわね……。もう許さない!」
散々ひどい目に遭わされて、ついに亜梨子は本気になった。
悠然とした態度を崩さないまま近づいてくる真夜を見るなり、スカートなどから瓦礫を落としながら立ち上がったからである。
それだけならまだしも、足元に落ちていた壊れたレールを拾い上げると、思い切り投げつける。
「おっと。この程度では……」
不意をつかれながらも難なく避けた真夜だったが、その後の攻撃は予想できなかった。
長い髪を振り乱しながら、亜梨子が飛びかかってきたからだった。
和風な美少女の鬼気迫る逆襲を正面から受け止めてしまい、ボーイッシュな巨大少女はついに瓦礫の上に転がされてしまう。
伸ばした手がまだ壊されていなかった休憩所などを壊したが、亜梨子はぼろぼろになった高圧電線塔を拾い上げると、思い切り叩きつけた。
たったそれだけで鉄塔はばらばらになり、破片が周囲に飛び散る。
「この程度では済まさないわよ!」
思いがけない反撃に真夜が驚く余裕を与えないまま、亜梨子は攻撃を続けた。
肩を掴んで立ち上がらせると、お返しとばかりに中央広場に投げ飛ばしたからだった。
スニーカーに包まれた足で地上の施設などを全て壊滅させながら、バランスをとろうとした真夜だったが、巨大化した制服少女の体当たりを正面から受け止めて、色々な遊具の立ち並ぶ地区に転がってしまった。
その上に亜梨子が組みついてきたので、思い切り力を込めて突き飛ばす。
戦い慣れていない事もあって、亜梨子はあっさりと体勢を崩してしまい、まだ壊していなかったジェットコースターをさらに壊して座り込んでしまう。
「思ったよりやるのね、貴方も」
さらに建物を壊しながら体を起こして、真夜は本心から言った。
半ズボンから伸びるすわりとした足は中央広場を壊滅させていたが、なぜか絵になっていた。
「当たり前じゃない。どうしても勝ちたいんだから」
すっかり汚れた制服姿の亜梨子は、ジェットコースターの搭乗口付近をスカートの下で潰していた。
それでも、近くにあったレールの一部を掴むと軽々と持ち上げる。
「お蔭で夢の国もめちゃめちゃね。見てよ。この惨状」
笑いながら言い切った真夜の言葉に、亜梨子はきょとんとして周囲を見回した。
ほんの五分前まではまったく壊されていなかった遊園地は、二人の巨大少女が戦場とした事で、既に半分が壊滅していた。
入り口から中央広場に続く部分は全ての建物が崩壊し、巨大な足跡や転がった跡があちこちに残っている。
ジェットコースターは半分以上のレールが破壊され、壊された部分が無残に垂れ下がっている。
その背後にはさっきまで追いかけっこをして破壊した地区が広がり、亜梨子が叩きつけたガスタンクによって発生した火災がなおも広がっていた。
「凄い破壊力じゃない。可愛い制服が似合うのに、破壊行為となるとえげつないのね」
「仕方ないでしょう……って、そんな話をしてる場合じゃないの! いくわよ!」
「はいはい」
いきなり、亜梨子が手にしたままだったレールを投げつけてきたが、真夜は難なく避けた。
遊園地を舞台とした巨大少女同士の戦いは、まだまだ続きそうだった。

……
長くなりそうなので一度終了します。次は遊園地の戦いの後編となります。

次回の更新は未発表イラストです。現在発注しているのは3枚。内1枚は既にラフを見せてもらっていますが……はっきり言って最強レベルです(笑)。出てくるキャラは二人というと、漠然と組み合わせは想像つくのではないのでしょうか? 次回の更新をお楽しみに!
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