アリスと白い吸血鬼(後編)

一週間遅れてしまいましたが、SSの後編を送ります。今回はやや破壊描写が少なめになってしまいました。さらに、ミアキス・ロッテのキャラについて好き勝手に設定しまくってました。だって、可愛かったんだから……(理由になってない)。

【追記】ミアキスの名前がミキアスになっていましたので修正しました。神風さんには申し訳ありませんでした。

……

大量の瓦礫に埋もれた状態で、アリスは自分の力の無さに屈辱感を味わっていた。
それ程強い相手には見えなかったが、さすがは吸血鬼というべきだろう。魔力も人形も奪われた自分では勝てそうに無かった。
……でも、こうやって壊してしまうのは悪くないわね。どんなに大きな建物もめちゃめちゃになるし、魔理沙がハマるのも分かるわね。元気があり余ってるから。
攻撃をしてこないのを幸いに、ゆっくりと体を起こす。ミアキスという少女吸血鬼は、勝手に周囲の建物を壊していたが、それが不思議と絵になっていた。
少しだけ、私に似てるわね。戦い方とか……。でも、実力の差は大き過ぎるし、どうしたらいいかしら?
冷静さを取り戻し、考える。
結論はすぐに出た。
口許に笑みを浮かべると、アリスはミアキスとは正反対の方向に広がる無傷の街並みに襲いかかっていったからである。
立ち塞がるビルは全てブーツに包まれた足で蹴り壊す。
軽くジャンプして、スカートに包まれたヒップで住宅街を一瞬の内に壊滅させる。
高架の道路は足で壊してから手を使って道路を持ち上げて、片っ端から周囲に叩きつけてマンションなどを破壊する。
人形のような巨大美少女の破壊劇によって、中心街から港にかけての地区が簡単に瓦礫の山と化していく。
それにミアキスが気づいたのは、派手に大暴れして瓦礫の上にちょこんと座った時の事だった。
「あーあ。派手にやったわね」
「私だって<本気>になればこれぐらいできるわ。あんたなんかには負けたりしないから」
「さっきは戦って負けたくせによく言うわね」
「あれはただ油断したから」
ミアキスの頭脳はアリスの行動と言葉になんらかの作為を感じていた。しかし、川の傍の工場を破壊して、炎上させているのにも関わらず、アリスは平然と微笑んでいた。
「やっぱり懲りてないわね。思い知らせてやるから」
立ち上がると、悠然と瓦礫を踏み潰しながらアリスの方へと近づいていく。ここは紫の用意した仮想空間なので、場所に罠は無いと確信しての堂々とした行動だった。
「来たわね。今度は勝つから……」
巨大化したアリスの言葉は、途中で断ち切られた。
突然、白い疾風となったミアキスが攻撃を仕掛けてきたからだった。元々身体能力はイマイチのアリスにそれを受け止める事は不可能だった。スカートを派手に翻し、ドロワも丸見えになったまだ壊していなかった工場の上に転がってしまったからである。
また派手に爆発が発生し、周囲は黒煙に包まれたが、第二撃は勘だけで何とか回避する。
「いい感じね。大火災と破壊の饗宴。私に相応しいわね」
炎に熱さを感じなくても、白い吸血鬼の心は熱くなっていた。いっそのこと、ここで止めを刺してしまうのもいいかもしれない。そう思いながら、アリスの必死の反撃を難なく受け止める。
「ほら、何度も言ってるじゃない。力の差は大きいって……」
半ば呆れたように言った時だった。
アリスが口許に笑みを浮かべたかと思うと、いきなり足払いをかけてきたのだ。
詰めの甘い性格を読まれた……そう考えた時にはもう遅かった。
ミアキスの巨体は背中から工場の隣を流れる川に架かる橋の上に落ちていたからである。まるで飴細工のように橋は破壊され、吸血鬼の少女はそのまま川に落ちる。
巨大化したアリスにも負けない程の派手な水柱が上がり、飛沫が半ば凶器と化して周囲の建物なども破壊したが、それを全身で受け止めながら、アリスは会心の笑みを浮かべていた。
吸血鬼は流水に弱い。
その弱点を完璧に突くことができたからだった。
だから言ったじゃない。戦いは全てブレインで決まる……え?
対岸の建物まで壊しながら川の上に横になっていたミアキスがゆっくりと体を起こしたのはその時だった。白いお洒落な衣装から水を滴らせ、小さな胸の上に落ちる髪を面倒臭げに後ろにやる。
その紅瞳には、邪悪な光が浮かんでいた。
「な、なんで……」
「吸血鬼が全部同じ弱点を持つなんて限らないじゃない。貴方の世界の吸血鬼もそうじゃないかしら?」
「あっ……!」
日光に弱い吸血鬼のレミリアが、日傘だけで昼間外に出ていたのを思い出して、アリスは自分の作戦が失敗に終わったのを悟った。
「まあいいわ。私はね、こう見えてもこんなお洒落な衣装を身につけたままお風呂とかに入るのも大好きなの。ナターシャもちゃんと付き合ってくれるのよ。いいでしょう?」
笑みは浮かべていたが、ミアキスの瞳には殺意が浮かんでいた。
いよいよ少しだけ<本気>を出す必要がありそうだった。
「本来なら塵すらも残さずに消してしまうところだけど、八雲さんがいい顔をしないから止めておくわ。その代わり……」
 一瞬、ミアキスは瞳を閉じた。それを合図にするかのように、少女は<変身>した。白い衣装は闇の色に染まり、茶色がかかった黒髪は瞳と同じ紅色になる。
<黒紅の吸血鬼>。
これがミアキスの真の姿だった。
「とことんまで遊んであげる。貴方は人形みたいに可愛いから楽しそうね」
アリスの白い肌にミアキスの<力>が針のように突き刺さる。足が震えて逃げ出す事もできない。
真の姿を現したミアキスはレミリア……いや、フランドールよりも強い。
アリスの残された理性はそう分析していた。
「別に痛くしたりしないわ。本当に遊ぶだけだから。この街を壊しながら、ね」
 漆黒の編み込みブーツに包まれた足が壊された工場をさらに破壊した。スカートの裾からはなおも水が落ちていたが、まったく気にしている様子ではない。
「楽しいわね。巨大化したまま遊ぶんだから。後で八雲さんにはお礼を言っておかないと。また招待してもらいたいわね」
「……」
恐怖に震えるアリスの肩にミアキスの手がかかった。
血を余り吸わない吸血鬼少女の最大の<愉しみ>は、抵抗できない美少女を好きなように弄ぶことだった。
「さあ、始めるわよ。良い夢になるか、悪夢になるか、それは貴方次第ね……」
アリスの形のいい唇に、ミアキスの唇が重ねられた。そのまま、まだ壊していない工場の上に押し倒す。派手に埃が舞い上がったが、黒紅の吸血鬼は気にしない。
こうして。
ミアキスは久しぶりに手に入れた極上の<獲物>を、街を壊しながら弄んだのだった。

後日、その様子を終始見ていた紫はこうつぶやいたという。
「アリス総受けで世界平和」

……
やっぱりアリスは「受け」キャラですよね?(笑) 個人的な好みはレイアリです。普段はつんとしている霊夢がアリスに甘えまくり、アリスがそれを優しく受け止める……そんな図が好きです。

次回は来週、イラストを更新します。SSはその次に私個人が書きたいネタがあるのでそれをやりたいと思います(とある東方キャラたちの街壊しネタです)。
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コメント

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ミアキス

リクキャラのミアキスを可愛いがって貰って嬉しいです。

レミリアとミアキスが組んだら凄い勢力になりそう・・・

カリスマ全開のレミリアに、レミリア似のミアキス・・

またミアキスが番外編で出れれば嬉しいです。

No title

>神風様
あまりに可愛いのでついつい好き勝手に動かしてしまいました。
……今気づいたのですが、名前間違ってました。申し訳ありません。全部修正して再度アップします。

ミアキス2

ミアキスの八雲へのお礼はどんな方法で、どんなお礼なのか期待してます。

ロッテ[今回のお誘いまた楽しかったですね、玩具でも遊べましたし]

リオン[お姉様良いな、八雲様のお誘いで遊べて・・私も遊びたいわ]

No title

>神風様
メールでのリクエスト確かに受け付けました(実は返事を出すとなぜかエラーになってしまうので……)。次の次のSSは「レミリア・フランVSミアキス」編でいきます。実はストーリーもちょっと考えていたり(笑)。

ホルン

楽しみにしてます。

ロッテ「いつかは私の友のホルンや妹のリオンもあちらの世界へ行こうかしら・・」

リオン「私達と同じ仲間(吸血鬼)いるかな・・いたら友だちになりたいわ」

ホルン「あちらの世界の魔術の力を知りたいわ」

*ホルンの外見は、幼いパチェで(逆転東方3の格好)

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