とある巨大姉妹の街破壊(後編)

とある巨大姉妹の都市破壊

というわけで、後編です。果たして、レミリアの策は実るのか……?

……
次に動いたのは……やはりレミリアだった。貨物ヤードに残されたコンテナや車両を全て蹴散らして突進してくると、ビルに叩きつけられたままのフランに体当たりしてきたからだった。
避けようとすれば避けられたのにも関わらず、悪魔の妹とも呼ばれる少女は正面からそれを受けてしまい……。何とビルごとその場に倒れてしまった。ビルは周囲の建物を巻き込んで完全に崩壊し、凄まじい程の埃が舞い上がったが、レミリアはそれをかき分けながらフランの巨体を無理やり起こす。
「レミリアお姉様……?」
「街を壊してしまういけない子にはお仕置きね。さあ、ここら辺を壊して反省しなさい!」
そう言うなり、レミリアは巨大化した妹を高さ50メートルはあるビルがまとめて建ち並ぶ地区目掛けて投げ飛ばす。バランスを保とうとしたフランだったが、足元で小さな建物を引っかけてしまうとその努力も無駄に終わった。
赤いツーピースに包まれた巨体がビルを潰し始めると、後はまとめて薙ぎ倒してしまったからだった。思わず伸ばした両手がさらに被害を拡大し、両足も意識しない内に次々に建物を壊していく。それだけで、数十ものビルが完全に破壊されて瓦礫となる。
「いいわね……。こういうお仕置きも」
自分も建物を壊しながら、レミリアは久しぶりに満足していた。いつも振り回されてきた妹に復讐できるとなると、楽しくて仕方なかった。
「そろそろ武器が欲しいわね。……あ、いいのがあるじゃない」
フランが周囲の建物を盛大に壊しながら立ち上がったのを見て、レミリアは自分の背丈近くの高さがある高圧電線塔を簡単に引き抜いた。邪魔な電線は火花を散らしながら引きちぎり、まるで槍のように片手だけで持つ。
「これで止め! スピア・ザ・グングニル!」
自分のスペルカードにあやかって、高圧電線塔を投げつけるレミリアはすっかり調子に乗っていた。人間たちの街を簡単に破壊するのは楽しいの一言に尽きたし、何よりも妹に自分の力を見せつける最高の機会だったからだったが……。
フランは飛んできた高圧電線塔を簡単に受け止めた。
「えっ……?」
「ふふ。お姉様……。壊してあげる♪」
「まさか、まったくダメージを受けてなかったの?」
「だって、幾ら受けても痛くないんだもん」
「あっ……」
そう言えば紫も言ってたような気がする。
この空間上では熱さなどを一切感じないばかりか、痛みすらも感じないと……。
「やっぱりお姉様は少し抜けてるのね。人間たちと会うようになってからカリスマも無くなってきたじゃない」
「馬鹿な事を言わ……」
反論は、フランの投げ返してきた高圧電線塔によって断ち切られた。思わず正面から受けてしまったので、電線等はばらばらになってしまったが、その時にはフランは目の前まで来ていた。
次の瞬間、レミリアはまったく壊されていなかった大通りに転がされていた。背中の羽が周囲の建物をめちゃめちゃにしてしまい、道路上の車なども全て潰されて道路が陥没する。とっさに動かした足は地面を突き破って、地下に埋められた施設なども破壊する。
「……う、動けない!? 足が引っ掛かって……」
「うわーお姉様格好悪い……。スカートからドロワ丸見え」
「馬鹿な事を言わないでよ!」
反論しながら足を動かすものの、焦っているのでまったくうまくいかない。それどころか、堂々と大通りに足を踏み入れたフランが壊した建物を持ち上げたのでかなり慌てた。
「お仕置きするなら今のうちね。えいっ!」
後はフランの独断場だった。動けないでいる姉に壊した建物を叩きつけたり、無理やり体を起こして壊していないビルに突っ込ませたりしたからである。
「お姉様って弱い……」
「馬鹿な事を言わないで! こうなったら……!」
壊したばかりの建物をパンプスで踏み潰しながら平然としているフランに、レミリアが反撃に出たのはその時だった。いきなり、足元の瓦礫やスクラップになった車を蹴り上げる。盛大に舞い上がったそれにフランが気を取られている隙に主導権を奪い返そうとしたのだが……。
「ふふっ。甘いのよね、お姉様♪」
フランはまったく気を取られたりしなかったので、レミリアの突進をいとも簡単に避けたが、目的を見失った姉の方は悲惨だった。そのまま大通りを壊しながら突き進んだ挙げ句、またもや陥没した地面に足を取られて派手に転んでしまったからである。しかも、鉄道の高架線目掛けてダイブする形になってしまい……そのまま高架線と列車をまとめて壊してしまった。
「あーあ。やっちゃった……。お姉様の方が壊してるじゃない」
自分の破壊活動を棚に上げて、フランは平然と歩み寄ってきた。そのまま、高架線から落下した列車を掴み上げると、喜々とした表情で巨大化した姉に巻きつけてしまった。
「巨大吸血鬼の電車巻き出来上がり。美味しそう♪」
「うー……」
「とうとうカリスマも無くなっちゃった。ま、元から大して無かったけど」
……。
……。
その後、すっかりカリスマを失ってしまったレミリアはカリスマ溢れるフランに好き勝手に操られて街を壊す羽目になった。
その光景を、紫の指示を受けた藍によって映像に撮られてしまった為、レミリアはしばらくの間、紫に頭が上がらなかったという……。

教訓。策士策におぼれる。


……
結局、レミリアの策は実りませんでした(笑)。実はフランちゃんの方がカリスマがあるのかもしれませんね。

次回のSSは百合魔女っ子姉妹による怪獣退治がテーマのお話を書きます。仲が良過ぎるほど良い姉妹魔女っ子の大活躍(という名の大破壊)にご期待下さい!
次の更新では久しぶりにOMCに依頼したイラストをアップします。

ホームページなどにもアップしましたが、夏コミ(コミックマーケット80)当選しました。ただ、予告していた巨大娘長編小説「港町の守護巫女」はとても間に合わないので、書き下ろし短編を軸とした予告編本を出します。コピー本なので無料配付します(笑)。スペースは以下の通りです。

8/14(3日目) 東地区”プ”-20b 「白鳳企画」

他にも色々な小説を置いていますので、是非見に来て下さい!
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コメント

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人望の妹様

実は、おぜう様より人望や威光があるのではフランお嬢様?

フランお嬢様は何げに策士でやっていけそう・・・

腹黒お嬢様として。

次回のSS期待してます

至福なり

後編堪能しました。
姉妹の大暴れ、フランにしてやられたレミリアなど、とてもよかったです。
本文では語られてないところまで、妄想してしまうくらい楽しみました。
次回SSを楽しみにしています('∇')

No title

>神風様
実はフランちゃんの方がカリスマとがあるというネタはよく見ますね(笑)。今回はレミリアの自爆という感じも強いですが……。

>ラフレミスキー様
堪能していただきありがとうございます。いいネタを出していただいたお陰で面白い話が書けました。これからもよろしくお願いします!
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