不思議の国の少女(2)-全ての始まり-

更新が遅れて済みません。巨大娘SSの第2話をお送りします。今回はこの追いかけっこの始まりまでを描きます。破壊描写が少なめなのは……次で挽回します。次からは破壊劇の連続になると思います。まずは基本をしっかりしてからと思っていまして(だから話が長くなる(笑))。

……

二人の巨大少女は、当たり前のように建物などを壊しながら歩いていた。
真夜はそれこそはしゃぐように立ち塞がるビルなどをすらりとした足で破壊していたし、亜梨子もいささか躊躇いながらもその後に続いていたからである。
わたしも慣れちゃったわね。こうやって街を壊してしまう事に。
ローファーで住宅を軽く蹴散らして、巨大な制服少女は思った。
最初はそんなつもりなんかまったく無かったのに、こうでもしないと戻れないから……。そもそもどうしてわたしがこんな事をしないといけないの?
「もちろん、遊んでみたかったから」
思いついた事を言葉にして真夜にぶつけると、当然と言わんばかりの返事が返ってきた。
「だってその制服が似合う清楚な女の子が怪獣のように街を壊してしまうんだから。破壊兎としては見逃せなかったの」
「そんなの理由にしないで!」
「立派な理由になると思うけどね」
言い切って平然と笑う。
その不敵な微笑を見ている内に。
亜梨子は彼女に会った時の事を思い出していた。

「え……? どうなっているの?」
突然その場所にいると分かった時の第一声はこれだった。
道を歩いていたら突然目の前が暗くなって、気がついたらいつもの制服姿のまま見知らぬ街の通りに立っていたからである。
但し、身長48メートルにまで巨大化して。
周囲には小さな住宅やビルが密集し、足元の道路には車があったが、なぜか人の姿だけは見えなかった。
悪戯なのかしら? どっかの映画のセットみたいだけど……リアル過ぎるわね。でもこんな大きいと歩けないじゃない。
一歩を踏み出そうとした瞬間、電線が足に絡んできて亜梨子は慌てた。
足場を作ろうにも車が多くて不可能に近かった。
どうしたらいいの? そもそも、何が起きたの?
「ようそこ。巨大少女による破壊と爆発炎上が織りなす不思議の国へ」
突然、少年のような少女の声が耳に届いて、亜梨子はその方向を見た。
そこには、ボーイッシュな姿をした兎耳少女が悠然と立っていた。
足元では何台か車を潰している事を気づいて、巨大化した少女は驚く。
「私は真夜。あなたをここに呼び寄せたのは私。ちょっと遊び相手になってほ しかったの」
「遊び相手? 何をする気?」
「簡単な話。私が逃げるからあなたは追いかけて捕まえればいいだけの話。3回捕まえたら帰してあげるから」
「だったら簡単ね。こう見えても走るのには自信があるの」
「そう? じゃあ私がこんな風に逃げても捕まえられるの?」
いきなり。
巨大な兎少女……真夜が動き出したのはその時だった。
あっと思うよりも早く、ソックスとスニーカーに包まれた巨大な足が通りにあった車をスクラップに変えていく。
一部が爆発炎上して、黒煙が吹き上がったが、真夜は気にしている風ではなかった。
「この街は私とあなたが追いかけっこをして徹底的に破壊し尽くす為だけに用意したの。ちなみに見て分かる通り、どんなに建物を壊しても怪我は絶対にしないし、爆発炎上に巻き込まれても平気。だから遠慮はしないで」
「そう言われても……」
亜梨子はただ呆然としていた。
自分の置かれている状況が理解できなかったから当然かもしれなかったが、それに気づいて真夜は止めの言葉を投げかける。
「もし私を3回捕まえられなかったらいつまでたってもこの空間からは出られないけど、いいの?」
「え?」
「私は破壊兎だけど鬼じゃないの。3回捕まえたら間違いなく帰すわ」
「でも……」
「躊躇ってるけど、この街は実在しない街だから幾らでも壊していいの。むしろめちゃめちゃにしてほしいわね。それが見たいんだから。さて、私は逃げるから」
「あっ……」
とっさに手を伸ばして、見えない何かを掴もうとするよりも、真夜の行動の方が早かった。
巨大化したボーイッシュな少女は、躊躇なくまだ壊されていない住宅街に足を踏み入れたからだった。
建造物が破壊されてただの物になっていく音が派手に響き渡り、電線を断ち切られた電柱が倒れて火花を散らす。
停まっていた車がスクラップになり、蹴散らされる。
気がつくと、真夜の歩いた後には瓦礫と巨大な足跡だけが残されていた。
「追いかけないの? 早くしないともっと逃げるから」
「……」
亜梨子としてはこのまま何もせずに終わりにしたかった。
目の前に広がる町並みを壊しながら、兎のような少女と追いかけっこをするのは悪夢でしかなかった。
しかし。
やるしか……ないのね。そうじゃないと戻れないっていうなら。こんなに大きくなっていれば壊すのも平気だし、怪我もしないって言ってるから。
心の中で言い訳を重ねるに連れて、躊躇いが少しずつ消えていく。
今すぐ戻りたいならば、何もしないわけにはいかなかった。
「だったら、やるわ。きっと捕まえて見せるから」
「簡単には捕まらないよ」
この短いやり取りが、想像を絶する破壊劇の始まりだった。
……

第3回の更新は出来るだけ早くします(来週あたり?)。ですが、先にイラストをアップします。次は未発表作の番ですので、週末までには上げたいと思います。ヒントのキーワードは「悪魔のような妹」。その意味はアップされた時に分かるはずです(笑)。
また、そろそろ新しいイラストの発注もしたいと思います。
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コメント

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No title

いいSSですね!!
これからも書き続けてください!

ありがとうございます

>お花畑様
コメントありがとうございました。これからも頑張ります!

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