不思議の国の少女(13)-最後の大破壊(前編)-


またもや間が空きましたが、SSを更新します。そろそろ終了しないと……(笑)。

……
最初に仕掛けたのは……真夜の方だった。兎耳の巨大ブレザー少女は足元でまとめて建物を壊しながら、亜梨子の腕を掴んだからである。
「え……?」
「油断してると負けてしまうよ。私だって本気だから」
一瞬だけ耳元で囁くと、笑いながら巨大なセーラー服少女を投げ飛ばすようにして転がす。制服に包まれた巨体が、高さ100メートル近いビルが建ち並ぶ再開発地区をあっという間に瓦礫に変えていく。車はまとめて潰されて炎上し、壊されたビルは瓦礫を撒き散らしながら崩壊していく。
それでも、亜梨子は大型タワーマンションを派手に壊しながら体を起こした。真夜が近づいてくるのを見ると、いきなり近くにあったビルの一部を投げつけて怯ませる。
「負けたりしないんだから!」
熱くなる心に背中を押されながらつぶやくと、全身から瓦礫を落としながら壊滅した公園に仁王立ちになる。上着にまとわりつく車や小さな破片を手だけで払い落とすと、高速道路を派手に蹴散らしながら真夜に正面から襲いかかる。そのまま掴んで投げ飛ばすつもりだったが……。
「だからそんな攻撃は通じないって」
何度も聞いた真夜の言葉が耳に届いた瞬間、亜梨子の目の前から真夜の姿が消えた。攻撃は空振りに終わり、勢い余って亜梨子はまだ壊されていなかった住宅街にヘッドスライディングしてしまう。その一撃で数百もの住宅が破壊され、さらに転がった亜梨子の体の下で商業地区までも簡単に壊滅する。
「やっぱりここまで巨大化してると壊滅するのも早いわね」
簡単に壊滅していく都市を眺めながら、真夜は満足していた。ついでとばかりに足元の破壊された高速道路の高架部分を両手で持ち上げると、体を起こしたばかりの亜梨子に叩きつける。まったく避けられず、セーラー服少女は瓦礫の上に転がってしまった。
「意外と弱いのね。もっと強いと思ったのに……」
「馬鹿な事を言わないで。今から本気出すから」
「そういう発言ってフラグっぽいよね」
「うるさい!」
遊び半分で再開発地区を壊滅させた真夜に、亜梨子が逆襲したのはその時だった。下ろしただけの髪を振り乱し、ローファーでは容赦なく無傷の建物や車を蹴散らしながら、真夜にキックを食らわせようとする。しかし、その一撃も簡単に受けられてしまう。
「こーんな事をしたりして。えいっ!」
足を掴まれて慌てた亜梨子だったが、真夜がそのまま押し込んできたのでバランスを崩して倒れてしまった。またもや住宅が壊されたが、構わずに真夜の手をほどくと、半ば転がりながら難を逃れる。その先にあったのは……鉄道の高架線と電車だった。
「見つけた……わたしの武器!」
マンションなどを壊しながら膝をつくと、亜梨子は一気に電車を掴み上げた。身長160メートルの少女にしてみればおもちゃ以下の大きさだったが、すかさず襲いかかってきた真夜には効果的な武器だった。
いきなり、編成がちぎれるのも構わずに叩きつける。それで怯んだのを見ると足でビルなどを破壊しながら体当たりを食らわせる。体勢が崩れていた巨大兎少女にそれを避ける事は出来ず、轟音と共にその場に転がって地形すらも大きく変えてしまった。
「凄い地震が何度も起きてるわね。周囲もめちゃめちゃ……」
電車を投げ捨てて、亜梨子は悪魔のような笑みを浮かべた。二人が暴れた地域はあちこちに深さ数十メートルの穴や巨大な溝が出来ており、その中に落ちていく建物も無数にあった。大型のビルなどは半分近くが原形を失っており、再生された街は既にかなりのダメージを受けていた。
「でも、まだまだ暴れるの♪ こーやって!」
頭を振りながら体を起こした真夜の腕を、亜梨子が掴んだのはその時だった。相手の抵抗を無視して、港湾地区へと投げ飛ばす。さっき大津波と大爆発で壊滅した地区は、ブレザー制服姿のまま巨大化した少女の全身によって破壊されていく。
「今度は私が火遊びしてしまうのもいいわね。大爆発は怪獣映画の醍醐味だから!」
「……ようやく反撃に出たわね」
「ずっと我慢してたの。幾らでもいじめてあげるから!」
平然と言い返すと、亜梨子は石油タンクの建ち並ぶ地区に足を踏み入れた。わざとタンクを壊さずに足場を作ると、挑発するように真夜を見つめ返す。その意図を察したのだろう。もう一人の巨大少女は全てを蹂躙しながら足を踏み入れてきて……。石油タンクは再び一気に大爆発した。
中心部にいた亜梨子はあまりの火力に少しだけ驚いたが、真夜の攻撃を簡単に受け止めて、まだ壊していなかった石油プラントの方へと投げ飛ばし、そこを火の海に変えてしまう。
「炎の中の最終決戦って盛り上がるわね」
炎上するプラントを蹴散らしながら、亜梨子は満足していた。
「ここまで大きくなっていると簡単に破壊されるからちょっと拍子抜けだけどね」
「いいじゃない。……えいっ!」
激しく燃え上がる港湾地区を舞台に、二人の巨大少女は怪獣となって戦いを続けた。
前回は亜梨子の手によって壊された吊り橋が、今度は真夜の猛攻によって簡単に破壊された。
港はタンカーを持ち上げた亜梨子が何度も叩きつけただけで海に沈んでいった。
そして、海に面した建物は二人の巨大少女たちが遊び半分追いかけっこをしただけで全て壊滅した。
それでも、亜梨子と真夜は満足していなかった。
「最後の最後は中心部大破壊。これで終わりだから」
「うん。手なんか抜いたりしないから」
わずか5分で解決した港湾地区を足場に言葉を交わすと、また新たな大破壊を求めて歩き出す。
アリスと兎の壮絶な追いかけっこは終わりに近づきつつあるのだった。
……

次回はイラストの更新ですので、それ程間は空かないと思います。

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