不思議の国の少女(7)-この街は戦場だから?-

更新が遅くなってしまいました。本家の創作小説とゲームサークルの活動が重なってしまい、更新間隔が空きがちになっています。ちなみにこのSSはもう少しだけ続けます。これが終了したら、単発で東方の巨大娘SSなんかもやりたいなーと思っています(笑)。

……
亜梨子と真夜、二人の巨大少女が再現された天守閣を中心とする公園に足を踏み入れたのはそれからしばらくしてからのことだった。
「いよいよ怪獣映画になってきたわね。こういうのを壊して戦えるなんて」
今から最悪の破壊劇を始めようというのも関わらず、亜梨子は無邪気そのものだった。自分の背丈とほとんど変わらないお城の天守閣の屋根に手をかけてはしゃいでいたからである。
「いいでしょう? 最悪の破壊劇、期待してるわよ」
真夜もまた、多少興奮しているようだった。気がつくと服装が変わっており、よく似合うブレザー制服に身を包んでいた。
もちろん、兎の耳と尻尾は健在だったので、どこか妖しげな色気を漂わせていた。
「それにしても、スカートも似合うのね。足長いし」
「ふふ。後半はこの服装で勝負して上げる」
「面白くなりそうね。でも、この服装になったわたしに勝てるかしら?」
言い切って、亜梨子は天守閣を横に置いた状態で身構えた。スニーカーでは容赦なく公園を踏み潰していたが、もちろん本人は気にしていない。
「私服になると強気になるなんて、珍しいこと」
「いいじゃない。こういう服装が好きなんだから。さあ、始めるわよ!」
そう言うのと、最初の攻撃が同時だった。真夜が構えない内に亜梨子はダッシュすると、いきなりタックルしたからである。
不意を突かれてはとても避けられず、ブレザー制服のまま巨大化した兎少女は簡単にその場に転んでしまう。チェックのスカートの下で休憩所や木々が倒れていったが、亜梨子はさらにキックまで食らわせる。
「痛いじゃない、何するの!?」
「痛くないのによく言うわね。これでも食らったらどうかしら?」
そう言うなり、亜梨子は近くの野球場に歩いていくと、ナイター照明灯を簡単に引き抜いてしまった。それを見ながら立ち上がった真夜だったが、亜梨子が照明灯を武器に攻撃してきたので慌てた。とっさに両腕で受け止めたものの、力の差もあって、バランスを崩す。
「隙あり!」
最大のチャンスとばかりに、巨大化した普段着少女はぼろぼろになった照明灯を叩きつけようとしたが……真夜が口許に笑みを浮かべたのはその時だった。
照明灯を掴むと、逆に投げ飛ばしたからだった。今度は亜梨子がバランスを失い……背後にあった天守閣に背中からぶつかってしまった。その瞬間、復元されたお城は
簡単に半分が崩れ去り、瓦礫が巨大なスニーカーの足元に散らばる。
それでも亜梨子は壊されたお城に構わずに体を起こした。
背後ではばらばらと建物が崩れていったが、両足を開いて身構える。
「やっぱり簡単に壊れるわね。せっかくのお城も」
「仕方ないじゃない。巨大化しているんだから。それよりもお返し!」
真夜が隙をみせたのを見逃す亜梨子ではなかった。スカートを翻しながら、突っ込んでいったからだった。また突き飛ばしてくると思いながら構えた真夜だったが、その予想は裏切られた。
体を低くした亜梨子は何と、真夜の右足を掴んで無理やり持ち上げてしまったからだった。慌ててスカートを押さえようとした兎少女だったが、それが隙になってしまった。
完全にバランスを崩して、半壊したお城に正面から突っ込んでしまったからだった。たったそれだけで、豪華な天守閣は土台ごと崩壊して、周囲に瓦礫を撒き散らす。
「あーあ。パンツまで丸見え。ちょっとみっともないわね」
「ふふ。残念でした。これは見せパンなのよね。でも、大胆でしょう? 丸見えでもお構いなしに暴れると」
「もしかして、わたしが穿いているのも?」
今着ている服を用意したのも真夜である事を思い出しながら、亜梨子は聞き返す。
「もちろん。だから気にしてなくてもいいの」
「そうなのね……」
考え込むようなポーズになった亜梨子だったが、真夜が動いたのでびっくりした。何をしてくるのか分からず、瓦礫を踏みつけながら構えたが……。
真夜は巨大な普段着少女の腕を掴むと、振り回すように公園の外へと投げ飛ばした。瓦礫や公園の施設を容赦なく踏みつけながら抵抗しようとした亜梨子だったが、堀にかかる橋を踏み潰した瞬間、バランスを崩してしまった。
「あっ……!」
驚いた時には手遅れだった。身長50メートル近い少女の巨体は、周囲に建ち並ぶビルを破壊しながら転がってしまったからだった。
スカートもまくれてしまい、白いパンツが半分以上見えてしまう。
「ふーん。君は白が好みなのね。雰囲気にあってるじゃない」
「見ないでよ……。恥ずかしいんだから」
「見せパンだから恥ずかしくないもん!って台詞を期待してたんだけどね。だからお仕置き!」
道路上の車を踏み潰し、瓦礫を蹴散らしながら歩いてきた真夜だったが、手近に半壊したビルを見つけると、それを土台ごとを持ち上げてしまった。
それに気づいた亜梨子は、スカートを押さえながら転がった。スタジャンの下でさらに瓦礫が潰れていったが、真夜にビルを叩きつけられて、さすがに意識が遠くなる。
「酷い姿になったわね。でも、私だって簡単には負けるわけにはいかないの!」
そう言いながらも。笑いながら真夜は転がったままの亜梨子の両足を掴んでしまった。抵抗にも構わず、振り回すように転がす。たったそれだけで、周囲の建物はまとめて崩壊し、一部が炎上して煙を吹き上げ始める。
「そして、街は戦場になりました。不思議の国に迷い込んだアリスは兎に負けて、街を破壊する道具と成り下がってしまったのでした、と」
したり顔で、真夜はつぶやいた。アリスの名前を持つ巨大少女はなおも転がったままだったが、半壊したビルに寄りかかりながら体を起こす。
「でも、まだまだ壊し足りないわね。せっかくめちゃめちゃにする為に用意したんだから!」
真夜が動いたのはその時だった。まだ呆然とする亜梨子を無理やり立たせると、今度は大通りに突き飛ばしたからだった。抵抗一つせずに亜梨子はぎっしりと車で埋まった通りに座り込んでしまう。スカートの下で多くの車がスクラップになり、一部が爆発して炎上する。通りに面した建物も破壊されて、破片が周囲に散らばる。
「さあ、反撃してみたらどう? きみの実力はそんなものじゃないはず」
「……分かってるわよ。わたしを本気で怒らせたらどうなるか、分かってないようだし」
ゆっくりと、亜梨子が立ち上がった。赤いキャンバススニーカーで車を踏み潰し、道路を陥没させながら真夜を睨みつける。
真夜は気づいていなかったが、この時亜梨子は近くにある大型の送電線塔に目をつけていた。敏捷な動きをする
巨大な制服兎少女を捕まえるには道具が必要だった。その後は……。
わたしを本気にさせた事を後悔しないで欲しいわね。
そう思いながら、亜梨子はついに逆襲に転じたのだった。

……
現在、イラストは3枚発注しています。内1枚は……最高レベルの作品になるのはほぼ間違いありません。巨大娘普及委員会様にもイラストを発表されている方に依頼していますが、やはり色々な意味で凄い作品になると思います。後の2枚はOMC経由ですので、受け取るまでのお楽しみです(内1枚は傑作になりそうな気が……)。
次回は1月中に更新します。次はもちろん、イラストの更新です。お楽しみに!
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