少女と少年の大きくて小さな物語

遅くなってしまいましたが、今年最初の更新です。今回はSSの内容に悩んでしまいました。いつもと同じではやはりワンパターンなので、アングルから今まで書いていない路線にしてみました。一番好きなのがブログのタイトルにもなっている「街破壊」なので、微妙かもしれませんが……。ちなみに十八禁ではありません(笑)。

街破壊巨大少女幻想9

注意事項。イラストの著作権は作者様に所属します。無断転載は厳禁です。
Warming! Reprint without permission prohibition!

今年の11月にOMC経由で依頼したイラストで、作者はMAO..AZ.様です。体調不良をおして描いていただきました。とにかく迫力満点です! 可愛い顔をしているのに破壊の限りを尽くした挙げ句、得意気にVサインなんしています。シャツの模様の細かさも一品です。このアングルを見て、今回のSSは浮かびました。
というわけで、SSいきます。

……

「おい、冗談だろ? どうしてこうなるんだ?」
目の前に立つ美夏を見つめながら、俺は呆れてつぶやいた。
今俺は仮想空間上に作られた都市の中心部にいる。これだけなら別に珍しい話ではないが、パートナーの美夏が問題だった。
ポニーテールにした髪もよく似合うじゃじゃ馬娘は普段着のままで、身長50メートルに巨大化していたからだった。
「おい、美夏。どうしてお前だけが巨大化してるんだ? 俺はどうして小さいままなんだ?」
「決まってるじゃない。敦志(あつし)をおちょくって遊ぶ為じゃない」
予想はしていたが、美夏の回答は最悪だった。
両手を腰に回すいつものポーズで堂々と俺を見下ろしているから始末におえない。
「わたしが追いかけるから敦志は逃げ回ってね。大丈夫。仮想空間だから死なないんだし」
「死んでたまるか! ていうか、俺も巨大化させろよ」
「駄目。こういうのは女の子が巨大化すると相場が決まってるの。で、男の子を追いかけ回すわけ」
「じゃ、俺はさっそく逃げさせてもらうぜ」
「いいわよ。わたしだって追いかけるから。でも……」
不意に巨大化した美夏は加虐的な笑みを浮かべた。こいつがこの顔をした時、俺はいつもろくでもない目に遇ってきた……。
「わたしから逃げられるなんて思わない方がいいわよ」
言うと思った。
でも、俺は逃げきってみせる。
そう心に誓うと、ゴーストタウンのような街を見ながら走り出したのだった。

正直な話、俺は逃げる事に関しては多少自信がある。なにしろ、こう見えても現役の陸上部員なのだ。専門は長距離。スピードは無くても、逃げ回るスタミナなら十分にある。
「美夏。どうした? 追いかけて来ないのか?」
足音が聞こえないので、俺は小さなマイクを通じて呼びかけた。さっきから美夏と会話できるのはこれのお蔭だ。
せいぜい重宝させてもら……。
突然、耳が壊れそうな轟音が轟いたかと思うと、俺の周囲は白煙で満たされた。
立ち止まって振り向くと……。
怪獣のように巨大化した美夏はなんと、通りに面したビルを破壊して笑っていた。
「おい、何をしてるんだ?」
「見ての通り、邪魔な建物を破壊してるの。楽しいわよ。どんな建物でも簡単に壊せるんだから!」
そう言いながら、美夏は豪快に足を振り上げて半壊したビルを崩壊させてしまった。
「おい、スカートスカート!」
「見えるわけないわ。これって実はキュロットなんだから。こんなので引っ掛かるんだから本当に単純ね」
そう言いながら、大きく足を振り上げてみせる。
すらりとした脚線美の奥には……短いキュロットが見えていたが、あまりにローアングルだと見えないはずの部分も見えそうで怖い。
……ていうか。今ちらっと白いのが見えたような……。
「見るぐらいなら許して上げる。ご褒美にね」
「ば、馬鹿! お前だって女の子だろ!?」
「今は怪獣になってるんだけど?」
「真面目な顔で言うな!」
怪獣となった美夏は本当に容赦しなかった。俺が見ているのも構わず、腕を降り下ろしたり蹴飛ばしたりして、周囲の建物を全て瓦礫に変えてしまったからだった。
……正直、俺は逃げるのも忘れていた。
いや、ほら暴れるたびにキュロットの奥が……。
「さーて。そろそろ追いかけるわよ!」
だから。俺は完全に逃げ遅れてしまった。瓦礫を蹴散らしながら突き進んでくる美夏を思わず見つめてしまったからだった。
これが男の性(さが)というものだろう。
……単に逃げるのも忘れて、呆然としているだけとも言えるが。
「やっぱり小さいわね、こうやって見ると」
美夏は得意の絶頂にあるようだった。瓦礫を踏みつけながら、俺に向かってVサインなんかしてくる。
しかし、絵になるのはさすがというべきだろう。
黙って立っていれば、勝気な雰囲気を漂わせた正統派美少女なのだ。美夏は。
「そりゃ三十倍の差があればな。で、俺をどうするんだ? 踏み潰すなら潰してみろよ」
「そんな事はしないわよ。もっと面白い遊びをして上げる。ま、この小説が成人指定されない程度だけど」
「メタな発言は止めろって……おい!」
あっと思った時には遅かった。俺は美夏の手に乗せられたかと思うと、そのまま胸元まで引き上げられたからだった。
目の前にコットンシャツとTシャツに包まれた胸の膨らみが……ある……だと……?
「どう? 楽しい?」
「お前、巨大化しても胸が小さいんだな。ついでに大きくしてもらえば良かったのに」
「誰が貧乳だって……? わたしの場合は美乳って言うの! 小さくても形はいいってみんな言うんだから!」
「誰も貧乳なんて言ってない……うわっ!」
その後の行動はまるで予想外だった。何を思ったか、美夏は俺の全身を自分の体に押しつけたのだ。正確には、その胸そのものに……。
う、うわっ……。こ、この感触は……癖になる!
「どう? これでも小さいかしら?」
「は、はは……。俺の楽園はここにあったんだ……。見つけたぞ、俺だけのラピュタを……」
「何馬鹿な事を言ってるのよ。でも、こうするとわたしも気持ちよかったりして……」
「だ、だから揺さぶるな……! じゃない! もっと揺さぶってくれ!」
「好きにしてあげるわよ。にしても、男ってこういうのが本当に好きね」
「だって……谷間に……押しつけられてるんだぜ……」
ああ。駄目だ。意識が遠くなる。この快感にもっと酔いたいのに……。
ふっくらとした谷間で死ねるなら、我が人生一片の悔いなし……!
「あーあ。気を失うなんてつまらないわね。ちょっと刺激が必要かも」
「な、何をする気だ……?」
あまりの恍惚感に、俺は心も体もラードのように溶けていた。このままフライパンに入れればきっと美味しい料理ができて、美夏がそれを食べるのだろう。
……って。
なんで。
巨大な唇が目の前にある?
「ほーら、食べちゃうわよ~」
「まままま待て! 何をする気だ! この作品は成人指定じゃないって言ってるだろ!」
「世界で一番最強の調味料~それは空想力~」
「だから待て! 話せば分かる! 話せば!」
「この後の展開は~皆さんにお任せ~」
「わー!!」

次に気がついた時、俺は仮想空間の外にいた。もちろん腕も足もあったし、体の一部が消化されている事はなかった。
しかし、その後。
美夏が俺を見る時に美味な食事を前にするような表情を浮かべるのは……気のせい、だろうか?

……
というわけで、肝心の部分は読者の皆様の想像に任せます(笑)。
文章ならば直接書かなくても暗示という手法が使えるので少しだけ楽です(「食い」はちょっと……なので済みません)。

次回の更新は久しぶりに「不思議の国の少女」です。巨大少女対巨大少女の怪獣映画をやってしまいます。復元された天守閣は簡単に破壊され、ビルの建ち並ぶ町並みも戦場となって壊滅していく……そんな回になります。
また、「地球の一里塚」の方では普通の小説の連載も続けていますので、お気軽に御覧下さい。また、サークル「白鳳企画」の参加予定も載っています。1月は11日に仙台、31日に新潟に行きます。




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