続・過去からの挑戦者(1)

夏コミ直前最後の更新です。ていうか、もう来週なんですけどね。
新刊として前にもちょっと触れた小説本「東方破壊系巨大娘」を出します。このブログに掲載したお話の再録と新作1本(霊夢と早苗の巨大化ネタ)を収録しています。また、秘封倶楽部の小説本「かぐや姫の帰還」も同時に出します。いずれも無料配布となっていますのでお気軽に足を運んでくださいね。
スペースとサークル名は下記の通りです。

8月14日(金・1日目) ヌ-27b「木蘭優駿」

「すいかやさん」の新作ゲーム「射命丸文の事件簿」なども委託しています!(こちらは無料配布ではありません。念の為)

前置きが長くなりましたが、SS「続・過去からの挑戦者」の第1話を掲載します。前にも登場した巨大破壊系姉妹・舞&由衣に再びあの御方が挑戦する話です。今回は新しい仲間を引き入れたようですがどうなるやら……。

……
「ぐぬぬ……。困った、まさか信長公に断られるとは。<魔王>と呼ばれた私にはふさわしくない、だと? おぬしが魔王ならばこっちは天神様だというのに。しかし、困った。あの姉妹に逆襲したいが手駒がなくはのう……」
「道真公……じゃなくて、天神様?」
「おお、久しいな。最近は活躍してるそうじゃのう」
「昔は本当にマイナーだったのにね~。ところで天神様、何かお困りのように見えましたけど?」
「おおっ、そうだ! そなたならば最適だ! 面白い話があるのだが、ちょっと付き合ってもらえないか? 大三島のお鶴殿」

失望が、全身を締め上げていた。
高校に入って最初の大会の出場メンバー発表が終わった。そこに少女の名前は載っていなかった。
「今回はごめん! 三年生で一度は大会に出たいって子がいるのよ。三佳ちゃんは一年生だから次、きっと選ぶから!」
敬愛する部長に拝み倒されてしぶしぶ承知したものの、納得したわけではなかった。一年生で唯一選ばれるとしたら自分だという確信があったからだった。
「ま、いいけど……。一年生は誰も選ばれなかったし、部長は約束を守ってくれるはずだし……って、そんなわけないじゃない!」
周囲に誰も居ないことを確かめてから、三佳は大声を上げた。
「絶対選ばれると思ってたのに……。もう、この怒りをどこにぶつけたらいいの? あーもう暴れたい! いつかみたいに巨大化して派手に暴れたい~!」
<ずいぶん荒れてるわね。そんなに面白くないことがあったの?>
突然。
心の中に知らない少女の声が届いて、三佳はびっくりした。
<あなたは……?>
<大三島のお鶴。鶴姫の方が通りがいいかしら? 最近はちょっとだけ有名になったと聞いてるけど>
<鶴姫……って、まさか戦国系のゲームに出てくる鶴姫!?>
<御名答。本当は姫なんかじゃなくてただの巫女なんだけど、まあいいわ。天神様から紹介されたといえば分かるかしら?>
<天神様? まさか、また力を貸してくれるの?>
<もちろん。島を守るために戦ったこのわたしが力を貸し上げる。今すぐに暴れたいんでしょう?>
<もちろん。今の格好のままでもいいわよ。ちょうど部活の後だし、この格好動きやすいの>
<了解。じゃ、さっそくいくわよ! そのやりきれない怒りを巨大化して発散するといいわ!>
次の瞬間。
三佳の体は光に包まれたかと思うと、一気に巨大化を始めた。
青のラインの入った白いポロシャツにチェックのスカート、スパッツに紺色のソックス、シューズ……女子ラクロス部のユニフォーム姿の巨大少女が町の中央に現れたのは、その直後のことだった。手にはクロス(ラクロス用のスティック)を持ち、その体重によって道路を陥没させていた。
「これ……持ってきちゃったけど、いいの?」
手にクロスを持ったままなのに気づいて、三佳はきょとんとしたように心の中に問いかけた。
<大事な道具なんでしょう? どんなに乱暴に使っても壊れないようにしてあるから平気。それを使ってめちゃめちゃにするのも面白そうじゃない>
「えっと……」
<お鶴でいいわ。姫って柄じゃないし>
「じゃあ、お鶴ちゃん。始めていい?」
<もちろん! 貴方とはいいコンビになりそうね>
鶴姫の言葉に背中を押されるようにして。
ラクロスのユニフォームのまま巨大化した三佳はついに大暴れを開始した。

「じゃ、まずはウォーミングアップ。走り込み!」
手にしていたクロスを手近なビルに立てかけて、三佳はいきなり大通りを走り始めた。アスファルトが完全に陥没し、通りにあった車は全て破壊されてスクラップになり、一部が爆発炎上する。道路を跨いでいた電線も全て断ち切られ、電柱がまとめて倒れる。
それでも三佳は、歩道橋がある交差点が目に入ると、すかさずスライディングを敢行した。ラクロス用のシューズが凶器となって歩道橋や街灯、そして車を全て破壊する。さらにスカートがまくれてスパッツがむき出しになった太ももやヒップによって、完全に潰されてしまった。
<派手にやるわね~。でも楽しそう♪>
<でしょう? 一度は大暴れしたことがあるのよ。あの時は動きにくい服装だったし、こんな事はできなかったのよね>
心の中で鶴姫に答えながら、三佳はすかさず転がった。青のラインの入ったポロシャツに包まれた上半身が立ち並ぶ住宅街を直撃し、全てただの瓦礫に変えていく。伸ばしたままの足もまた道路や小さなビルを巻き込んでいて、被害は拡大するばかりだった。
簡単に壊れれるわね~。やりたい放題じゃない。どーせすぐ元に戻るんだから幾ら壊したって平気だし♪
修復担当の苦労をまるで無視して考えると、もう一回転する。伸ばした腕がマンションを直撃して中央から分断したが、すかさず振り下ろされた足が直撃して、あっという間に建物は崩壊する。その瓦礫の上に巨体を転がして、三佳はやっと体を起こす。
巨大化した少女が暴れた一帯は既に壊滅しており、一部で火災も発生して黒煙を吹き上げていた。
「舞はまだ来ないのね」
<舞って誰?>
「わたしの友達。巨大化能力を持ってて、今みたいに暴れてると巨大化して駆けつけてくるの」
<だったら私がやっつけてあげる。この前みたいにはいかないわよ。なんたって大三島のお鶴がついてるんだから>
「頼もしいわね」
笑って言い切ると、三佳は立ち上がった。ポロシャツやミニスカートに付着した瓦礫を払うと、瓦礫を蹴散らしながら新たな破壊劇へと向かっていく。
まずは大通りに面して立ち並ぶビルを一気に蹴りだけで壊す。自分の腰ぐらいまでの高さしかない建物をまとめて壊すのが快感で、調子に乗って無傷だった地区にも足を踏み入れて全部破壊する。
「このマンション大きいわね。でも今のわたしなら……」
今度は自分より背の高い大型のマンションが2棟立ち並んでいるのに気づいて、三佳は一段と破壊衝動を刺激された。まずは片方の建物にスカートを翻した回し蹴りを叩き込む。それだけで建物が大きく揺らいだのを見ると、今度は右腕でラリアットを食らわせて真っ二つにしてしまった。分断された上半分が地上に落下して、さらに周囲の建物を巻き込んだが、三佳は悠然と歩み寄ると、その上半分を軽々と持ち上げる。
<力があるのね>
「もちろん。こー見えても腕相撲とかは強いんだから♪」
平然と答えると、両手で持ったマンションの上半分をもう一つのマンションに叩きつける。その一撃だけで建物が大きく揺らぎ、無残な姿を晒したのを見ると、今度は助走をつけてジャンピングヒップアタックを直撃させた。高層マンションは埃を盛大に巻き上げて瓦礫と化していき、勢い余った三佳は背中から無傷の住宅街に落下して思い切り転がる。ラクロスのユニフォームに包まれた少女の巨体が、さらに瓦礫を増やしていく。
<転がるのが好きなのね>
「こうするとまとめて壊せるじゃない。でも、もっと酷い方法もあるんだから」
通りまで来て、三佳は悠然と立ち上がった。自分の暴れた地区が既に壊滅したり炎上したりしているのを確かめると、今度は道路を壊しながらジャンプした。ふわりとチェックのスカートが翻り、スパッツが丸見えになったが、そのまま交差点の真ん中に着地する。
ラクロス用のシューズがアスファルトどころかその下の地面すらも大きく陥没させ、そこにまとめて車が落下して爆発する。巨大少女の起こした衝撃波は地震となって街を襲い、周囲の建物をまとめて崩壊させる。
それでも三佳は地面を蹴って走り始めた。少女が走るだけで想像を絶するような地響きが起こり、道路には巨大な足跡が刻まれる。それどころか、三佳は<地震>で半壊した建物すらも蹴散らし始めたので、街はたちまちの内に瓦礫だらけになっていく。
<凄い。やりたい放題じゃない>
「こうやって大暴れするのは初めてじゃないんだから当然よ。本当はもう一度こうやって暴れてみたかったのよね~。しかもラクロスのユニフォーム姿のままというのも最高!」
<わたしも暴れたいな~>
「お鶴ちゃんは実体化出来ないの?」
<今の私は幽霊みたいなものだから地上に降りても実体がないのよ。だからあなたが暴れるのを手伝ってあげる>
「頼りにしてるわよ。舞どころかその妹まで挑んでくるかもしれないから」
<姉妹揃って?>
「その二人に散々な目に遭わされたのよ」
<だから天神様はわたしに声をかけたのね……。まいいわ。とにかく手伝ってあげるから>
「ちょっと三佳、何をしてるのよ! また巨大化するなんて!」
突然、聞き慣れた友人の声が耳に届いた。

……
今回は三佳にラクロスのユニフォーム姿のまま巨大化してもらいました。率直に言って作者の趣味です。ゴメンナサイ……。あ、でも舞と由衣はちゃんと制服姿で登場しますのでご安心を。学校が違うので制服も違います。
にしても、「続・~」というタイトルにすると昔のB級映画っぽくなりますね。まあ、似たようものかもしれませんが?

ホームページで連載している「反逆の従者―箱庭世界の巨大少女剣士―」ですが、そう遠くない内に連載を再開します。多忙のためずっと書けずにいましたが、やっと時間が取れるようになりました。ラストまで決まっているのでちゃんと完結させたいですし、巨大娘ものは反応が大きいのでw

次回の更新は2週間後……ブログ開設6年を記念して更新します。来週はコミケ帰りなので、家でひっくり返っていると思います。
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C88

C88が楽しみです。

ロッテ(必ず行くわ、絶対にあの本は手に入れるわ)

リオン(勿論、すいかやさんのゲームも欲しいな)

スノウ(凍結だった、反逆従者も再開らしいから嬉しいわ)

アリシア(もう7日は切ったね、楽しみだな)

ユラ(賢者様も体調にはお気をつけて)

ハク(コミケは、夏より冬の方が外待機を我慢出来ますね)

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>神風様

私も楽しみです。ただ、今回は「すいかやさん」の委託もあるのに人手が微妙に足りないのが問題です……。
まあ、とにかく頑張ります。
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小笠原智広

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