無意識の迷宮(完)―古明地姉妹の場合(後編)―

やっと、やっと古明地姉妹の物語完結編です……。なんだか思ったよりも時間がかかりました。最近忙しい上に疲れがたまっているせいかどうしても更新する気力が落ちているのが問題です。

まあ、愚痴はとにかく続きをどうぞ。

……
その瞬間、何が起こったのかこいしはまったく理解できなかった。というより、単に何も考えていなかった。スカートがまくれるのも構わずに身体を起こそうとしたからだったが……。
いきなり、背後から両肩を掴まれた。
「こいしには少しだけお仕置きが必要なようね。私をここまで馬鹿にするなんて……。もう許さない」
「お姉ちゃん?」
「お姉ちゃん……じゃないでしょう!」
身体を半分起こしていたこいしだったが、再び盛大に投げ飛ばされた。その先にあったのは自分の背丈ほどの高さを誇る大型のマンションだったが、こいしが正面から体当りしただけで中央部から崩壊し、盛大に周囲を瓦礫を撒き散らす。それでもこいしは手を使って踏み留まろうとしたので、残っていた部分も壊されてしまった。
「どれだけ心配したと思ったの? いっつも勝手にいなくなって一人でほっつき歩いてるんだから! さあ、地霊殿に戻りなさい」
「いや」
こいしは即座に拒否した。どうして姉はこんな事ばかり言うのだろうか? 自分はただ好きにしたいだけなのに……。
「あ、この辺りまったく壊してないじゃない。楽しそう~」
「楽しそうじゃないでしょう! もう頭にきた……お返してあげるから覚悟しなさい!」
さとりの様子がおかしいことに、こいしはまったく気づかなかった。それどころか、その場にちょこんと座り込むと目についた大型の電線塔を引き抜く。
「これを使って遊んだらどんな感じがするのかな~」
ソックスとローファーに包まれた足で無傷の住宅を壊しながら、こいしは足を広げた。スカートをたくし上げると縞模様のパンツが丸見えになったが、なんとその中央に電線塔を押し当てて一人遊びを始めててしまった。
「ん……ん、うふっ♪ ちょっと痛いけど……楽しい♪」
さんざん破壊活動を繰り広げてきたこともあり、未熟な下半身は十分に熱くなっていた。巨大化していなければ絶対に経験できない不思議な悦楽が脳を貫き、少女は艶に満ちた声を何度も何度も上げる。
「あん♪ ここは駄目……。イッちゃうから……でもいいや、もうイッちゃえ~」
「こいし。そんな事をして楽しい?」
その存在自体をすっかり忘れていたさとりの声が耳に届いたのは、パンツが愛液によってぐっしょりと濡れてしまった直後の事だった。手や電線塔まで液まみれになったことすら楽しんでいたこいしだったが、焦点の合わない目を動かす。
巨大化した姉はいつの間にかこいしの前でしゃがんでいた。スカートの奥……すっかり濡れそぼった真っ白な下着まで見えていたが、本人は気にしている風ではない。
「楽しいよ~。お姉ちゃんだってさっきは楽しそうだったじゃない」
「楽しいわよね。こんなに大きくなって建物を壊しまくって、人前で一人遊びまでしちゃうんだから」
「うん。お姉ちゃんももっと素直になればいいの。だから私が手伝ってあげる。何がしたいの?」
「決まってるじゃない」
妹の一人遊びをじっと見つめていたさとりだったが、すっと目を細めたのはその時だった。
「こいし。貴方を元に戻してあげる」
「え?」
意味のない返事をするのと同時に、こいしは両肩を掴まれてその場に押し倒された。背中で建物などを押し潰し、まくれたスカートが顔にかかって一瞬視野が暗くなる。
「まずは貴方の心を完全に壊してやるから。覚悟して!」
暗闇の中で聞こえてきた姉の声は、別人のように聞こえた。しかし、考えることを放棄した少女は、ただの人形でしかなかった。
最初に、まだ壊されていなかった住宅街の真中に突き飛ばされてその巨体で徹底的に破壊させられる。
全てがただの瓦礫になると今度は近くにあったビルの立ち並ぶ地区に突き飛ばされ、土台ごと引抜かれた建物を何度も何度も叩きつけられる。
それでもこいしが何も言わずにいると、さとりは最後まで残っていた駅前広場に妹を連れて行った。面と向かい、感情のない声で言い切る。
「満足した? 全部壊してしまうことに」
「お姉ちゃん、何が言いたいの……?」
「口答えはしないで。まだまだ足りないの? だったらもっと苛めてあげる。この都市が全部壊れてしまうまで……」
「お姉ちゃん?」
こいしが姉の異変に気づいたのはその時だった。足元では通りの車を全て踏み潰しながら、さとりはその瞳に涙を浮かべていたからだった。
「戻ってこなかったら絶対、許さない。みんな……お燐もお空もみんな心配してるのよ。それなのにいつもほっつき歩いて……本当に悪い子なんだから!」
また突き飛ばされてしまうと思い、目を閉じかけたこいしだったが、逆にさとりが抱きついてきたので思わず目を見開いた。わずかに膨らんだ胸同士が当たり、同時に温もりが心にまで伝わってくる。
何もない、空っぽのはずの心に。
「ずっといなさいなんて言わない。でも、たまには帰ってきて。それだけでいいんだから。それだけで……」
「お姉ちゃん……」
「私だって地上にはあまり出たくなかったの。心が全部見えてしまうんだから相手も嫌だし私も嫌。でも、こいしに会いたかったから……わざわざ出て来たのよ」
下半身の力が抜けたような気がして、こいしは巨大化しているのも忘れてその場に崩れ落ちた。背後にあった無傷の大型ビルなどがまとめて崩落したが、気にならなかった。
「だから帰りましょう。地霊殿に。みんな、待ってるから」
「え? ……あっ」
姉の言葉を全て理解するよりも早く。こいしの唇にさとりの唇が重ねられた。何が起きたのか分からず、こいしは周囲の建物を巻き込んでその場に倒れてしまう。盛大に埃が舞い上がったが、さとりはそのまま妹の巨体を抱きしめる。
「こいし……。大好き。たったひとりの私の妹……」
「お姉ちゃん……」
こいしはもはやそれしか言えなかった。何が起きているのかまったくわからなかった。ただ、自分が思っていたよりもずっと愛されていたことだけは分かった。
「こいし……。貴方を好きにしていい? 久しぶりに」
「え? まさかお姉ちゃん……。こんな状態のままで?」
「楽しそうじゃない。巨大化して建物を盛大に壊しながらっていうのも。本当はこいしだってしたいんでしょう?」
「……。うん。お姉ちゃんはお見通しなんだ」
「心が読めなくても読める部分はあるってこと」
「そうだよね~。だからお姉ちゃんなんだ」
「わかったような口をきくんだから♪」
こいしを抱きしめたまま、さとりは思い切り転がった。周囲の建物がまとめて崩壊して瓦礫が降りそそいたが、既に埃まみれになったふたりはまったく気にしていなかった。
久しぶりに大喧嘩した末に、久しぶりに肌と肌を合わせたくなっていたからだった。

かつては立派な姿を誇っていた箱庭の中の街は、たったふたりの少女によって無残な姿を晒しつつあった。姉妹ゲンカの舞台となった挙句ガスタンクが派手に爆発した地区は盛大に炎上して黒煙を吹き上げていたし、追いかけっこをした地区は建物が全て破壊されていたし、一人遊びの舞台となった場所に至っては破壊された建物や壊された<道具>が姉妹の身体から吹き出した愛液にまみれていたからだった。
そして。最後まで残っていた大型の駅付近は、久しぶりに体も心も一つになった姉妹によって蹂躙されつつあった。
「ち、ちょっとお姉ちゃん止めて~。恥ずかしいじゃない~」
歓喜に満ちたこいしの声と同時に、スカートから伸びる足が高架駅に振り下ろされた、天然の踵落しによって駅はまたもや両断されてしまい、そこから切れた架線やレールが無残に垂れ下がる。
「さっきは鉄塔で一人遊びしてたくせによくいうわね。完全にぐしょぐしょじゃない」
上気した顔でさとりが答える。巨大化した少女は駅前のロータリーやバスターミナル、そして駐車場を破壊して座り込んでいたが、スカートの奥に見える下着はすっかり濡れている。その手にはバスターミナルから掴みとった大型バスが握られていたが、既に手も含めて愛液まみれだった。
「ほらほら、もう一度いくわよ~」
「あっ、ちょ、待って……心の準備が……。うっ、き、気持ちいい~! なんか凄く興奮する~」
「うわ……。こいしって本当によく出るじゃない♪ ここら一帯全部ぐちゃぐちゃ」
「そんなことないよ。さっきだってお姉ちゃんも……あ♪ イきそう~。凄い凄い!」
「こいし……。大好き♪」
「え? あ、また抱きついてくるなんてもう……」
妹と身体を密着させたまま、さとりは広場をさらにめちゃめちゃにしながら転がった。理性は完全に吹き飛んでいて、何をしても平気な絶頂感が全身を満たしていた。
「お姉ちゃんって普段は真面目なのに、いざとなると凄いんだから……あっ、ち、ちょっとそれは止めて!」
「ほらほら貝合わせの時間ですよ~」
完全に濡れた姉妹の巨大な下着同士がこすれ合う生々しい音が壊滅した駅前を支配する。暴走した時によくさとりがやる遊びの一つだった。
「も、もうお姉ちゃん恥ずかしいよ~」
「いいのいいの。ドキドキするでしょう? 興奮するでしょう?」
「う、うん。凄い音がする……。私たち、何度も濡れてるから」
「でもまだするんでしょう? 足りなかったら今度は電車を押しつけてやるから」
「そ、それは止め……やっぱりお姉ちゃんだったらいいや♪」
「もう、こいしったら♪」
普段はまったく心が繋がらない姉妹の<遊び>は、どこまでも続いた。
箱庭の外から全て見られているとも知らずに……。

「……。なんか凄い光景ですね」
香霖堂から回収してきた箱庭から顔を上げて、藍は溜息をついた。
「ふふ。予定通りよ、全てね」
「痴態見たさにこんな罠を仕掛けたんですか? 紫様」
「まさか。これも幻想郷の平和のためよ」
「平和のため?」
「この姉妹は心にまつわる能力を持ってるのよ。それなのに二人共不安定なところがあるからたまにこうやってストレスを発散させないと危ないの」
「……。了解しました」
小さく体を震わせて、藍は主人の意図を理解した。
さとりは相手の心を全て読む少女。もし彼女が暴走して、幻想郷全ての人間や妖怪などの心を暴露して回ったら……紫でも止められない地獄絵図が出現するだろう。
「……どんな迷宮にも出口はあるの。誰かが想っていれば」
「何か言いましたか? 紫様」
「別に。独り言よ、独り言♪」

……
いやはや、色々と派手にやってしまいましたが、いかがだったでしょうか? 一切「見えて」ませんから18禁にはならないと思いますが……。でもよく考えたら完全着衣の方がエロいような気がするのは私だけでしょうか?
次のSSは前にも触れたようにジョン様のリクエストに応えて河城にとりの巨大化ネタをやってみたいと思います。

夏コミ当選しました! スペースは2日目(8/16(土))"タ"―14a「木蘭優駿」です。秘封倶楽部が主人公の小説本やオリジナルの小説本を無料配布していますので是非お立ち寄り下さい。

次回の更新はイラストですので、翌週には更新したいと思っています。
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コメント

非公開コメント

お待ちしていました完結編。見えてないし挿入してませんからR18にはなりませんよ多分←着衣のままのエロスは古来からのお約束チラリズムですね、はい。普通にパンツ一丁の女の子とスカートから見えるパンツでは後者の方が興奮するような

久々

久々の更新ね・・・

夏コミには、例の小説本は出ないのかしら?

ロッテ「私達の事を完全に忘れては困るわ」

リオン「忘れてたら私とアリシアちゃんとでA・SO・BHIをすれば良いんだから」

ヒナ「夏が過ぎればまた冬への支度が始まる・・・当分先ね・・・」

ユラ「口約束はダメですからな」

アリシア「お仕事頑張ってね」

No title

わーいにとりだぁ
えーりんとかめーりんとかのも見てみたいなぁ(チラッ

コメントありがとうございます~

>ガリクソン様
やっぱりチラリズムの方がいいですよね。偉い人には(以下略)

>神風様
夏コミではホームページに掲載した分をまとめたコピー本を無料配布します。よって新刊はありませんが、書き下ろしで何かつけた方がいいでしょうか……。「東方」スペースなのでついでに足を運んで下さる方も多そうですし。
あーでも休みが通常の半分以下になる可能性もある今の状況では確約できそうにありません……。

>ジョン様
はい、次回は巨大化にとりの大暴れを掲載しますよ~。一人では寂しいので他のモブ河童も一人ぐらい出してもいいでしょうか? えーりんとめーりんですか……。私がネタを募集した時に再度提案してもらえれば書きますよ。ただ、順番等があるのでお待ちいただくことになるとは思いますが……。

No title

>戦国銀
うーん できたらにとり単体の方が...

了解しました

>ジョン様
にとり単体ですね。了解しました!
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