小さな破壊神VS巨大少女怪獣(後編)

何とか年内に間に合いました。後編はひたすら破壊しまくりになってしまいましたが、お楽しみ下さい。

……
気がつくと、工場が立ち並ぶ地区は全て壊滅していた。
建物は破壊し尽くされて黒煙や炎を盛大に吹き上げ、一部ではなおも爆発している。運河にかけられていた橋も落とされて無残な姿を晒し、道路上にはスクラップになった車が散乱している。その光景を眺めながら、巨大化したハルカは満足そうに笑っていた。
「あーあ。まためちゃめちゃに壊しちゃった♪ まともな建物なんて残ってないじゃない。ね、水奈」
親友の少女の返事は無かった。瓦礫の上に転がって目を閉じているだけだった。
「水奈も派手にやったわね。口では嫌がりながらどんどん壊していくんだから。やっぱり水奈と遊ぶのが一番楽しいわね。……楽しい?」
ハルカの表情が曇った。今更のように、自分が水奈を思い切り痛めつけた理由を思い出す。
「……水奈。大丈夫? ちょっとやり過ぎたかも」
返事は無かった。さすがに罪悪感を覚えたのか、ハルカは慌てて膝をついて親友の巨体を揺さぶる。
{ねえ、水奈。返事して。大丈夫? 水奈!」
「……ハルカ?」
「あ、やっと目を開けた……。大丈夫?」
「大丈夫なわけないじゃない。お返し」
その時、ハルカはまったく警戒していなかった。両手で身体を掴まれたかと思うと、そのまま引きずり倒されてしまったからだった。白いパーカーの下で瓦礫が更に潰れ、ポニーテールにした髪が大きく広がる。
「ち、ちょっと……!」
「絶対に許さないんだから。だから……こうしてあげる」
ハルカが身体を起こす余裕もなかった。両腕が絡んできたと思うと水奈が全身を寄せてきたからだった。お嬢様風の少女に相応しい甘酸っぱい香りが鼻を刺激する。わずかに膨らんだ胸同士も密接して、その上にあった瓦礫がさらに潰れる。
「水奈……」
「許さないって言ったじゃない♪」
あっと思う間もなかった。思い切り抱き合ったまま、ふたりの巨大少女は周囲の建物にも構わず転がったからだった。普段着の下でまだ壊れていなかった工場やプラントが次々に破壊されていき、爆発したり炎上したりする。
「水奈……」
たまりかねてハルカが口を開いたのは、工場地帯を出て、海岸に面した再開発地区まで転がってきた時のことだった。
「ねえ、水奈ったら」
「もう怒ってないから安心して♪ 大暴れしたらすっきりしたし」
「水奈……。ごめん。本当にごめん!」
「いいのいいの。もう気にしてないから。それより……」
ゆっくりと水奈がハルカから離れた。名残惜しそうな顔をする親友に笑いかける。
「ここを壊して遊ばない? 綺麗な建物がいっぱい建ってるじゃない。これをみーんな壊してしまうの」
「もちろん! どっちがたくさん壊せるか競争しない?」
「いいわよ。負けないから!」
顔を見合わせて笑い合った瞬間、二人の少女の間に存在していたわだかまりが消え去った。そして、それが合図となった。
「最初にこのビル壊すね! えいっ!」
いきなり、ハルカが目についた大型のビルを蹴り上げたからだった。ミニスカートが派手に翻るのも構わない一撃に、ビルは正面を完全に破壊されて無残な姿になってしまう。それでも物足りなかったのか、今度はなんとジャンピングヒップアタックを食らわせて崩壊に追い込んでしまった。
「うわ~。凄い壊し方……」
さっそく近くにあったマンションを手で壊していた水奈が呆れたような声を出す。
「面白いでしょう? どーせ痛くないんだし、何をしても平気♪」
笑って言い切ると、ハルカはなおも破壊活動を続けた。瓦礫を落としながら立ち上がると、隣りにあったビルの真上に無造作に座り込んでしまったからだった。
「見て見て! 新技・座り込み壊し!」
「面白いけど……。パンツ丸見えじゃない」
「いいのいいの。どーせ水奈しかいないんだから。えいっ!」
平然と言いながら、一度立ち上がったハルカはさらに住宅が密集する地区に座り込んでしまった。チェックのスカートの下で多くの住宅が瓦礫になっていき、潰された車が爆発したが、ハルカは座り込んだまま前に進んでしまう。すらりとした足や手が凶器となって、さらに住宅を壊していく。
「今度はこんな事をしたりして♪」
水奈の視線に気づいて、ハルカはその場に無造作に横になると、そのまま転がってしまった。ポニーテールにした髪が生き物のように瓦礫の上に広がり、白いパーカーの下で小さなビルがまとめて壊滅していく。
「水奈が壊す分が無くなりそう……」
「大丈夫♪ まだ幾らでもあるじゃない」
「うん。こっちは水奈に任せて」
無造作に道路上の車を全て破壊しながら、お嬢様風の巨大美少女も破壊活動を続けた。まずはいきなり、立ち並ぶ住宅などに向かって豪快なスライディングを敢行する。ソックスとスニーカーに包まれた足が派手に住宅を破壊したが、水奈はその感覚すらも楽しみながら両手を振り回して周囲の建物を壊し尽くす。
「水奈も滅茶苦茶やるわね」
「いーじゃない。それより、こんな壊し方もあるわよ」
巨大化した水奈が四つん這いになった状態で体を起こした。そのまま両手や両膝で小さな建物を壊しながら突き進むと、大きめのマンションの前で止まる。
「そこからどうするの?」
地面から引き抜いた高圧電線塔を持ったまま、ハルカが問いかける。
「決まってるじゃない。こーやって壊してしまうの!」
ハルカが言葉を見つける間も無かった。水奈はそのまま、Tシャツに包まれた小ぶりな胸をマンションに押し付けたからだった。巨大少女の体重を受け止めて、建物は簡単に壊れていく。
「全身を使って壊してしまうのって楽しい~。ほらほら、こんなに簡単なんだから」
嬉々とした声を上げている間にも、建物は少女のしなやかな肢体によって壊されていく。無造作についた手が別の建物を巻き込み、膝が止めを刺しても、水奈は止まったりしない。四つん這いになったままさらに別のビルも壊してしまったからだった。
「水奈も大胆ね♪」
「ハルカには負けないんだから!」
そう言いながら、今度はかなり大きなビルに思い切り抱きつく。胸を押し付けるとそれだけでガラスが砕け散り、骨組みまでむき出しになっていったが、さらに破壊的な抱擁を続けてついには真っ二つにしてしまった。
「あーあ。簡単に壊れちゃった。ちょっとつまんないわね」
「ほんと。この辺りもめちゃめちゃになったわね」
車を踏み潰しながらハルカが歩いてきた。壊したばかりのビルの上に座り込んでいた水奈だったが、当たりを見回して瓦礫しかないのを確かめて、満足そうに笑う。
「水奈たちが暴れると無敵ね」
「でもまだ物足りないんでしょう? 今度はこっちに行ってみない?」
「あ、凄い。まだあんなに大きな建物とか残ってるじゃない。まだまだ壊すんだから!」
再開発された地区を完全に破壊してもまだ物足りないのだろう。水奈はすぐに立ち上がった。そのまま、ハルカと肩を並べてまだ無傷の地区へと襲いかかっていくのだった。

その後もふたりの巨大少女たちの大暴れは止まらなかった。
仮想空間上の都市なのでいくら壊しても問題ないこともあって、それこれやりたい放題だった。
「また壊しちゃった……。ビルだけでも百以上は壊したかも」
また一つ、大型のビルを座り込み攻撃で破壊して、ハルカは笑った。パーカーについた瓦礫を払い、ソックスとスニーカーに包まれた足を伸ばして、道路上の車を壊す。形あるものは全て壊してしまうのが、<巨大少女怪獣>ハルカの流儀だった。
「お尻で壊してしまうのも楽しいわね。簡単に壊れてしまうし。こーんな感じで♪」
瓦礫などを落としながら立ち上がったハルカだったが、アーケードに包まれた商店街を見つけるとまたもや座り込んでしまった。チェックのミニスカートに包まれたヒップが凶器となって商店とアーケードをめちゃめちゃにしたが、ハルカは笑っていた。
一方、水奈は大きなコンベンションホールをたった一人で壊していた。駐車場の車を蹴散らしながら足を踏み入れると、その場に座り込んでまるで遊ぶように建物を解体していったからである。
「こんな大きな建物でも水奈の手にかかったら簡単に壊れるわね~。これなんてこーやって……」
原型を留めないほどにホールを破壊して、水奈は止めとばかりに屋根を力任せに引きちぎった。それを両手で持つとそのまま何度も叩きつける。派手な音がして、さすがのホールもただの瓦礫になってしまった。
「ねえ水奈。今度はこうやって壊してみない?」
「え? スニーカーを脱いでどうするの? まさか……」
「靴下履きで暴れてしまうの♪」
脱いだスニーカーを無造作に放り投げてさらに建物を壊すと、ハルカは純白のソックスに包まれた足で道路上の車を踏み潰し始めた。巨大化しているので痛みなどもまったく感じなかったが、不思議な感覚がして気持ちよかった。
「こーするといかにも自分の足で壊してる感じがして楽しい♪」
「あ、面白そう。水奈もやるやる♪」
調子に乗って、水奈もスニーカーを脱いでしまった。試しに壊したばかりのコンベンションホールの瓦礫を踏み潰してみる。スニーカーを履いていた時からは想像もつかない感覚が脳を刺激して、思わず笑みがこぼれる。
「こういう壊し方も楽しいわね」
「だからこうやって壊してしまうの。巨大少女怪獣ハルカ、車両ヤードを襲撃します~」
高らかに宣言して、白いパーカーにチェックのスカート、純白のソックスの巨大少女は車両ヤードへと足を踏み入れた。まずはヤードに留置された電車をソックスに包まれた足だけで次々に踏み潰していく。紙の模型よりも簡単に壊れていったが、それでも満足できなかったのだろう。壊したばかりの電車を中程から掴み上げると、そのまま目についたガスタンクに投げつけて大爆発を起こしてしまった。
「びっくりした……。急にやらないでよ」
すぐ近くで住宅をソックスに包まれた足で壊滅させていた水奈が抗議の声を上げる。
「ごめん。でもこうやって炎上すると楽しいわね。本物じゃないからちっとも熱くないし」
「ほんとほんと。でも怪獣映画みたい」
そう言いながら水奈は、立ち塞がったマンションの真上にソックスに包まれた足を振り下ろす。その一撃だけで建物は真っ二つになったが、さらに別の足も下ろしてぐちゃぐちゃになるまで踏み散らかす。ソックスは既に汚れていたが、あまりの気持ちよさにまったく気にならなかった。
「水奈もえげつないわね」
「こうやって壊すと楽しいから仕方ないじゃない♪ ハルカだってやりたい放題だし」
「幾ら壊してもいいんだから当然じゃない」
気がつくと、車両ヤードは完全に壊滅していた。全ての電車が原型を失った状態で転がり、電車庫に至っては中にあった車両ごと踏み潰されて無残な姿を晒すだけだった。
「さすがは巨大少女怪獣ね」
「水奈だって破壊の女神らしい暴れぶりじゃない」
「てへっ♪ ちょっと本気出しちゃった」
ソックスに包まれた足で瓦礫を踏み潰して、水奈は笑った。いつの間にか少女の周囲にあったはずのビルやマンション、住宅は全て踏み潰されており、巨大な足跡がその上に残っている始末だった。
「でもまだまだ壊していない場所は多いわね。行くわよ♪」
「うん。負けたりしないから」
その言葉を合図にして、また新たな破壊劇が始まった。
ポニーテールにした髪を揺らすパーカーにミニスカートの巨大少女、そして癖のない黒髪が似合うTシャツにジーンズスカート、シャツ姿の巨大少女。
ふたりの大暴れは都市を完全に壊滅させるまで続いたのだった。

……
ここだけの話、ちょっと幼な目の女の子たちの大暴れは書いてて楽しかったです。無邪気な破壊劇はやっぱり独特の背徳感がありますね~。
次回の更新は1月7日前後、久しぶりに依頼イラストをあっぷします。ちょっと面白いイラストが届いたのでアップしたいとおもつています。ご期待ください!
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再び自作ですが……

街破壊巨大幻想117

General Sizefetish uploaderにY_Shibasaki様が掲載された作品に登場するドールの女の子がとっても可愛かったので、許可を頂いてイラストにしてみました。パーカーにミニスカのよく似合う巨大娘は描いてて楽しかったです!

SSの続きはもう少し待って下さいね。区切りもいいので何とか年内には掲載したいです。

「反逆の従者―箱庭世界の巨大少女剣士―」完結しました!

ホームページ上で連載を続けていた巨大娘小説「反逆の従者―箱庭世界の巨大少女剣士―」無事連載完結しました。全51回、とっても長かったです……。このブログ上で、神風様のリクエストに応える形で読み切り版を掲載したのが2013年4月でしたが、そこから数えて3年8ヶ月かけてようやく完結させることができました。全ては作品のアイディアを提供してくれた神風様、並びに読者の皆様のお陰です。本当にありがとうございました。
作品へのリンクは下記からどうぞ。

ホームページ「木蘭優駿」メインページ

個人的にはスピンオフで異世界の吸血鬼・ロッテとその周囲の人たちのお話も書きたいと思っています。また、巨大娘の話もネタがあったらやりたいです。次は……「港町の守護巫女」のようなほのぼの系をまたやってみたいです。

レイサナ巨大化!

街破壊巨大少女幻想116

「東方」の霊夢と早苗を巨大化させて、思い切り暴れてもらいました。30倍サイズまで巨大化しているので街は簡単に壊滅してしまいましたが、二人とも楽しそうです。

サークル「木蘭優駿」で無料頒布している小説本「東方破壊系巨大娘」の表紙を新たに描き直しました。前描いたのは1年半近く前なのでかなり絵が変わってしまいました。12/25の山形イベントからこの表紙で頒布開始します。なお、本文には変更はありませんのでご了承下さい。今後のイベント参加予定についてはホームページ「木蘭優駿」の「イベント参加」ページをご参照下さい。

ホームページ「木蘭優駿」

次の更新予定は依然として未定ですが、とにかく今は「反逆の従者―箱庭世界の巨大少女剣士―」の完結に全力を上げています。年内には何とかなると思いますが……。もし余裕があったら年内にもう一枚破壊系巨大娘のイラストを描くかもしれません。

久しぶりの千鶴

先週も予告した通り、今週はイラストをアップします。

街破壊巨大少女幻想115

注意事項。イラストの著作権は作者様に所属します。無断転載は厳禁です。
Warming! Reprint without permission prohibition!

OMC経由で依頼したイラストで、作者はri-ko様です。2回目の依頼ですが、破壊描写のリアルさがツボですね~。今回依頼した千鶴はオリキャラの巨大格闘少女ですが、こんな調子で街を破壊しながら戦ってしまいます。しかも本人は楽しんでいる……そんなキャラです。また自分でも描いてみたくなりました。やっぱり自分で考えたキャラですからね。

次回の更新予定は……ちょっと未定です。ただ、残り少ない年内はホームページ上の連載「反逆の従者」の完結に全力を尽くしたいと思っています。予定よりずっと長くなってしまいましたが、後少しですからね。最後にももちろん箱庭内での巨大化バトルがありますのでご期待ください。次の更新話から最後の巨大化バトルですよ~。

……胸郭出口症候群のせいで右腕が痛むのが問題ですが。
プロフィール

小笠原智広

Author:小笠原智広
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