不思議の国の少女(14)-最後の大破壊(後編)-


また間が空いてしまいました……。どうにも忙しくてなかなか余裕がありませんでしたが、ようやく戻れました。というわけで、放置状態だったSSの最終回です。やっと完結です(笑)。

……

ふと気がつくと、一度再生されたはずの街はまたもや半分近くが壊滅していた。100倍サイズまで巨大化した二人の制服少女たちがそれこそはしゃぐようにして破壊してしまったからだった。
「えーい! 壊れちゃえ! こんな建物!」
笑いながら、亜梨子が襲いかかったのは中心街の近くにあったかなり大型のマンションだった。大型といっても巨大化した少女の半分以下の高さしか無かった事もあり、手をかけただけで屋上から崩壊していく。
「あーあ。脆過ぎるじゃない。こーしちゃうんだから!」
余程つまらなかったのだろう。亜梨子はスカートにも構わずローファーに包まれた足を振り上げると、そのまま壊した部分に下ろしてしまった。たったそれだけで、建物は瓦礫と化してしまった。
「どう? そっちは順調に壊してる?」
平然と言いながら真夜が声をかけてくる。さっき港湾地区を壊滅させたばかりだというのに、既にその周囲の工業地帯をめちゃめちゃにしている始末だった。
「もちろん。楽しくてたまらないんだから」
平然と言い切って、亜梨子は壊したばかりの建物を足場にしてVサインしてみせた。制服姿のままで身長160メートルの破壊の女神になっていたが、なぜか違和感は無かった。
「でも、こうやって二人で壊すのもつまないし、もう一度追いかけっこする?」
「そうね。今度こそ捕まえてやるんだから!」
いきなり、亜梨子が走り出した。足元では建物などを全て蹴散らし巨大な足跡を残しながら真夜に向かって突進する。
しかし、巨大な兎少女はそれを予想していたようだった。
「だから正面からじゃ勝てるわけないじゃない」
亜梨子があっと思う間もなかった。真夜は平然と巨大化した制服少女を受け止めると、そのまままったく壊されていなかった住宅街目掛けて突き飛ばしたからだった。
バランスを取ろうとしたものの、住宅を数十軒まとめて壊滅させても止まらず、ついには大型スーパーの上に座り込んでそれだけで建物を壊してしまった。すらりとした足は駐車場に投げ出されて車をまとめて破壊する。
それでも亜梨子はすぐに立ち上がった。真夜が歩いてくるのを見ると、壊したばかりの建物を掴み上げて投げつける。それを何度も繰り返したので、少女の周囲からは瓦礫が無くなるほどだったが、真夜は制服を汚しながらそれを受け止めると、亜梨子の両肩を掴む。
「ちょ……何をするのよ!」
「分からず屋の巨大少女にお仕置き。ついでに中心街もまとめて壊すよ」
「ふふっ。そうは問屋が卸さないわよ」
「え?」
真夜が慌てた時には遅かった。亜梨子が演技しているだけだと気づいた時には立場が逆転していたからだった。
いきなり、まだまったく壊されていない車両ヤード目掛けて突き飛ばされる。足元で電車を壊しながら転んでしまったので、今度は制服に包まれた全身でヤード自体を壊滅させてしまったが、近づいてきた亜梨子はすかさずスカートから伸びる足を掴む。
「まさか、またやるの?」
「もちろん! 縞パンの可愛い兎さん!」
見せパンとはいえ丸見えになっている事に真夜が慌てるのと同時に、亜梨子は少女の巨体を転がして街を壊し始めてしまった。それこそローラーのように次々と建物が破壊され、整地されていく。
「まさかここまでやるなんて思わなかった……」
ようやく亜梨子が足を離したのは、一部が壊滅した中心街まで来た時だった。無造作にあぐらをかいて、制服の埃や瓦礫を振り払う。
「いいじゃない。でも、残っているのはここだけね」
「最後だから盛大にやろうか?」
「何をするの?」
「さっき君もやったけど……。これっ!」
素早い動作で、真夜が立ち上がった。壊した建物を足場にしていたが、笑いながらジャンプして……そのまま着地した。
「きゃっ!」
その衝撃は、亜梨子も予想外だった。地震のように地面が大きく揺れたのでその場にしりもちをついてしまったが、周囲の建物にしてみれば致命的な一撃だった。震度7を越える巨大局地地震によって全て崩壊してしまい、地面には巨大な穴やひび割れが発生したからだった。
「あーあ。とうとうやっちゃった……。私も負けないから!」
すぐに亜梨子も立ち上がった。一瞬真夜に微笑みかけると、平然とジャンプして少し離れた場所に着地する。しかも、二度も三度も……。その度に巨大な地震が発生して、街は壊滅していく。
「やりたい放題だね……」
「いいじゃない。最後だから派手にやっちゃった♪」
いつの間にか亜梨子は、遊園地の中央に立っていた。さっきは戦って壊滅させたのだが、2回目は亜梨子の起こした地震によって壊滅して、観覧車は亜梨子のローファーに踏み潰されていた。
「それにしても、壊す建物も無くなったわね」
「あんなに派手にやれば当然だけどね。……これでゲーム終了でいい?」
「えー。まだ暴れ足りない……。もう一度街を用意して。で、身長を30倍サイズにして。服装変えて大暴れするから」
「今日はもういいじゃない」
「……また呼んでよ。呼ばないと許さないから」
「分かったよ。君と遊ぶと楽しいからね。今度は実在する街を用意してあげるよ。東京壊滅作戦なんて面白いんじゃないかな?」
「だったらわたしはコスプレするわ。色々な服装で暴れるのは楽しそうじゃない」
「分かった分かった。また呼ぶからそれで勘弁して。……そろそろ元の世界に戻すよ。不思議の国の少女・亜梨子」
「……うん。アリスはやっぱり元の世界に戻るのね」
「それがお約束だよ。じゃ、また呼ぶから」
それが最後の言葉だった。真夜の魔法によって、不思議の国に降り立ったアリスは元の世界に戻っていったからだった。
一人残された真夜は、すっかり壊滅した街を眺め回すと……満足そうに笑った。
「しかし、とてつもない破壊衝動を持つ子だったな。あの子を主人公にすれば幾らでもクラッシュ系作品が作れそう。不思議の国だって財政が苦しんだから少しは助けて欲しいな」

……その後。
亜梨子は何度も不思議の国に誘われては、巨大化して大暴れを繰り広げた。少女は毎回服装を変えては破壊の限りを尽くし、街は実在するものも含めて何十回も破壊されたが、損した者は誰もいなかった。
不思議の国は亜梨子の大暴れぶりをDVDなどに収録して売りさばくことで財政が少しは改善したし、亜梨子も破壊衝動を発散させては満足したからだった。
そして今日も……。
「さあ、今日も盛大に壊すわよ。覚悟しなさい!」
アリス風の衣装に身を包んだ亜梨子の声が、再現された街並みに響き渡る。身長500メートルにまで巨大化したアリスが東京を怪獣のように蹂躙する瞬間が目の前に迫っていた。
その光景が全て映像に収録されている事を知らないのは……暴れている本人だけだった。

……
次回はイラストを更新します。今、2枚発注していますのでいずれ掲載する予定です。
SSはしばらく単発でやりたいと思います。……簡単に言うならば東方キャラの巨大化大暴れネタを考えています。某所では好評になっていますが、私なりにやってみたいと思います。
あ、リクエストも受け付けます! 但し、作者の趣味の関係で極端な18禁ネタやシュリ系ネタ、「喰い」系は一切お断りです(他にやっていらっしゃる方もいるのでそちらにお願いします……)。大歓迎なのは破壊系ネタです。あと、女の子同士の絡みも百合(これはもう少し範囲を広げるかも)はOKです。版権キャラは……正直ストライクゾーンが非常に狭いので「東方」以外は不可能だと思います。申し訳ありません。

ホームページで連載している「港町の守護巫女」は3/5に連載再開です。お楽しみに!
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