不思議の国の少女(8)-最強の武器?-

例大祭も終わって無事戻ってきました。今回はしんどくて死ぬかと思いました……。でもまあ、面白い物は作れたという自負はあります。ただ、今回の作品は会場限定ですので、再販の予定はありません。

今回の更新は久しぶりにSSです。熱心な読者の方の為にも少しずつ頑張りたいと思います。でも、東方キャラで大破壊ものが書きたい今日この頃。巨大化した魔理沙VSアリスの街壊し対決・なんてどうでしょう? 俺得かな?

……
次に動いたのは、亜梨子の方だった。真夜が身構えたのを見ると、いきなり奇襲攻撃に出たからである。
「えいっ!」
気合のこもった声で、足元でスクラップになりかけていた車をまとめて蹴飛ばしたからである。まるで木の葉のように舞った車は真夜を直撃し、さすがの巨大兎少女も怯んでしまう。
その隙を亜梨子は見逃さなかった。豪快に立ち塞がるビルを壊しながら無傷の地区に突入したからである。スカートが翻るたびに建物が崩壊し、派手に埃が舞い上がる。轟音が轟き、巨大なスニーカー型の足跡が地面に残されていく。まるで、少女の破壊力を証明するかのように。
「襲ってこない……?」
最初、真夜は亜梨子の行動に戸惑ったようだった。しかし、すぐに可逆的な笑みを浮かべると、制服に着いた車のスクラップを払って後を追う。
「そんなに街を壊したいならば手伝って上げる!」
巨大な制服少女は亜梨子の行動を破壊衝動が高じた結果だと判断した。
対戦相手を無視するするならばこっちにも考えがある。その巨体を武器に、さらに街を破壊してしまうのだ。
ソックスとローファーに包まれた足で小さな建物を全て蹴散らしながら、真夜が亜梨子に追いついたのは別の大通りまで来た時だった。
いきなり背中から掴みかかると、無造作に押し倒したからである。
予想していなかったのか、普段着姿の巨大少女は呆気なくバランスを崩し、自分の背丈近くの高さのあるマンションに正面から突っ込んでしまった。伸ばされた手が屋上に振り下ろされて、そのまま建物を破壊する。膝は道路上の車を潰し、さらに爆発炎上させる。
それでも、亜梨子は反撃を忘れなかった。
無警戒に近づいてきた真夜に、スカートが翻るのも構わないキックをお見舞いしたからだった。いきなり直撃され、スカートの奥の白い布がわずかに見えたが、真夜は為す術無く大通りに転がってしまう。
巨体の下で道路が陥没し、多くの車が巻き添えを食らったが、亜梨子はそれを見ることなく立ち上がった。その横顔にはしてやったりと言わんばかりの笑みが浮かんでいた。
予定通り。さあ、作戦開始!
そう思いながら亜梨子が襲いかかったのは……さっき目をつけた高圧電線塔だった。巨大化した少女の胸元までくるような大きなものだったが、武器に選んだ理由はそれだけではなかった。
「これを武器にしたら面白そうなのよね……。色々な意味で!」
思わずつぶやくと、亜梨子はいきなり電線塔から電線を引きちぎってしまった。派手に火花が散ったが、まったく熱くなかったので全て引きちぎってしまうと、今度は電線塔自体を地面から引き抜いてしまった。
「まさか、それを武器にする気?」
背後から声が聞こえて、亜梨子は電線塔を手にしたまま振り向いた。気がつくと、巨大なブレザー兎少女はスクラップだらけになった大通りに堂々と立っていた。既に周囲の建物は破壊されていたが、不思議と絵になっていた。
「そうよ。こーやってね!」
真夜の言葉に、亜梨子は行動で答えた。いきなりダッシュすると正面から勝負を挑んだからだった。まずは、ちぎられた電線をひきずったまま、電線塔を真夜に叩きつける。しかし、相手もさすがに受け止めたので、武器にされた電線塔は簡単に原形を失って、周囲に破片を散らばらせる。
「こんな程度では倒せないって言ってるじゃない!」
電線を邪魔に思いながらも、真夜は押し返した。そこからすかさず反撃に出ようとしたが……。亜梨子がいきなりタックルしてきたので、思わず受け止めてしまい、その場にしりもちをついてしまった。
この程度ならば大したことはない。
すぐに立ち上がろうとした真夜だったが……。
会心の笑みを浮かべた巨大亜梨子が、半壊した電線塔から伸びる電線を巻き付けてきたので心底驚いた。
抵抗しようとしたものの、あっと言う間に何重にも巻きつけられて動けなくなる。
「巨大制服兎捕縛成功! どう? 電線に巻かれてしまった気分は」
「こんな手があるなんて思わなかった。……ここからどうする気?」
「もちろん、お返しするんじゃない! たっぷりと」
加虐的な笑みが全てを物語っていた。亜梨子は無理やり真夜を立たせると、まだ壊されていない住宅地目掛けて転がしてしまった。
それこそ何もできず、真夜は制服に包まれた巨体の下で建物を破壊しまくり、スカートもまくれたまま瓦礫の上に転がる羽目になってしまう。
「うわー恥ずかしいわね。制服姿なのに縞パン丸見え。しかもその下で住宅壊してるし」
「こんな事をしてただで済むと思ってるの?」
「思ってるわよ。ほら、立ちなさい!」
抵抗はできなかった。真夜は亜梨子に操られるまま立ち上がると、今度はマンションが建ち並ぶ地区に叩きつけられてしまった。
たった一撃で二つの建物が分断されたが、さらに転んでしまったので、今度は大型のスーパーも巻き込んでしまった。
「酷い……。ここまでするなんて」
「恨みは晴らさせてもらうわよ。……でも、こうやって見るとあなたって結構可愛いのね」
突然、亜梨子の言葉が軟化した。真夜がびっくりする間に、悠然とスーパーの駐車場の車を踏み潰しながら近づいてくると、半壊したスーパーの上に横たわる真夜にのしかかってくる。
普段着に包まれた巨体が被いかぶさり、顔も近づいてきてさすがの兎少女も慌てる。
「……まさか、そっちの趣味もあるの?」
「そっちの趣味? わたしは格好いい男の子が大好きな普通の女の子なのに」
「だったら……」
「でも、格好よかったり可愛いかったりする女の子も好きなのよ♪」
「嬉しそうに言う台詞じゃない!」
「大丈夫。子供を作ったりはしないから♪」
「そーいう問題じゃないでしょう!」
間近で亜梨子の可愛らしい顔を見る羽目になり、真夜は必死になって体をよじった。その途端、体を巻きつけていた電線が緩んだので、何とか両手を自由にするとそのまま亜梨子を突き飛ばす。
まったく予想していなかったのか、巨大化した普段着少女は簡単に転がってまた建物を壊してしまった。
「何するのよ。これからいいところだったのに」
「油断も隙も無いわね……。こうなったらもう一勝負する? 舞台はあそこでいい?」
「あっ……。大きな駅ね。凄い。電車も停まってるし、壊したら凄そう」
「電車壊しは巨大化の醍醐味。たっぷりと味あわせてあげるから」
これ以上自分に対して変な気を起こされても困るので、真夜は急いで言い切ると、そのまま新たな戦場へと向かって歩き始めた。
うっとりとしたような表情を崩さずに、亜梨子も後に続いたのだった。

……
次回は3月中に更新します。もちろん、次はイラストです。1月から依頼をしていた分が溜まってきましたので公開していきます。ちょっといい作品もありますので乞ご期待!
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