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博麗の巫女の結界破り

SSリクエストの5連作の第2作目「博麗の巫女の結界破り」が完成したのでアップします。今回もイラストを1枚入れています。
霊夢は可愛いので巨大化して暴れると絵になりますよね~。

……
「ちょっと……どうなってるのよ、これ」
自分の置かれた状況に気づいた瞬間、博麗霊夢は思わず大声を上げた。
紅白の巫女服に身を包んだ少女は約三十倍サイズまで巨大化して、外の世界とおぼしき大きな街の中央に立っていた。パンプスに包まれた巨大な足は通りのアスファルトを陥没させ、複数の車を完全に潰してスクラップに変えていた。
「紫の仕業ね、どう考えても……」
こんなイタズラをするのは妖怪の賢者・八雲紫以外には考えられなかった。そもそも、縁側でお茶を楽しんでいたところ、いきなり空間上に開いたスキマに落とされてしまったのだ。
油断も隙もあったものではなかった。
「で、なんで巨大化してるのよ。そもそもここって本当に外の世界? まるで人の気配は感じられないし、覚えのある妖力だって感じられるし……」
<ご名答。さすがは博麗の巫女ね~>
「紫! すぐに元に戻しなさいよ! イタズラばっかりしてると本気で退治するわよ!」
<あら、ご挨拶ね♪ 貴方にちょっと頼みたいことがあるのよ>
「あんたの頼みなんて怪し過ぎるわね。またろくでもないことを企んでるんでしょう?」
<そんなはずないじゃない~。要はその街を完全に破壊し尽くして欲しいのよ♪>
「へ?」
<殴ったり、蹴飛ばしたり、体当りしたり、押し潰したり……どんな手を使ってもいいわ。但し、弾幕とスペルカードは使用禁止。貴方の身体と力だけで壊して欲しいの>
「なにそれ。本気なの?」
<私が嘘を言ったことがあったかしら?>
「……。こういう時に嘘をついたことはなかったわね」
<ふふ。ありがとう。実はその街は私が作った架空の街なのよ。実際は街ではなくてとある結界なんだけど、どうしてもそれを破らないといけなくなったのよ。で、貴方の出番となったわけ>
「ただの結界破りにしては手が込んでるわね。まだ裏がありそうだけど……要するに私が身体と力で結界を壊さないと駄目な状況なのね」
<さすがは飲み込みが早いわね~。つまりはそういうことなのよ。というわけで、お願いするわね♪>
あっと思う間もなかった。
紫の気配は消えて、架空の街の中には巨大化した霊夢だけが残された。
結界破り、ね……確かに得意だけど、こういう方法ってある? 普通にやった方が早いのに。
不平半分思いながら足を振り上げて、足元の車を思い切り蹴飛ばす。その一撃だけで複数の車が巻き込まれてスクラップになり、一部が爆発炎上する。車の一部は通りに面した建物の正面を思い切り破壊し、電線が切れて火花を散らす。
恐ろしくリアルだったが、架空の街なので霊夢自身は熱さも痛みもまるで感じなかった。
簡単に全部壊せそうね。こんなに巨大化してるんだから当然かもしれないけど……。
そう思うのと同時に、心が熱くなるのを感じる。当の本人は気づいていなかったが、それは純粋な破壊衝動だった。
「……。仕方ないわね。こうなったら思い切り暴れてやるから!」
半ば開き直るように宣言するのと同時に。霊夢はついに動き始めた。

最初に破壊されたのは、通りに密集していた車だった。さっきの一撃で既に一部がスクラップと化していたものの、霊夢の巨大なパンプスによって道路のアスファルトごと潰されていったからだった。
「簡単に壊れるのね。ま、こんなに大きくなっているから当然だけど」
十歩ほど歩いてから、霊夢は口元に手を当ててつぶやいた。
「それにしても大きな建物ばかりで自然なんかまるでないじゃない。こんな所に暮らして何が楽しいのかしら。しかも……」
言葉を切って、霊夢は白い袖に包まれた両腕を通りに面していた建物めがけて振り下ろした。それだけで建物は両断され、階層がむき出しになる。瓦礫が道路に落下し、さらに車を潰してしまう。
「想像以上に脆いじゃない。これなら幾らでも壊せそう。えいっ」
もはや躊躇いは一つも存在しなかった。巨大化した博麗の巫女は膝上までのスカートを思い切り翻して、半壊したビルに蹴りをお見舞いした。パンプスと三つ折ソックスに包まれた足が凶器となって建物をまとめて破壊し、周囲のビルなども巻き込みながら倒壊する。一気に瓦礫や埃が舞い上がり、さすがの霊夢も口元を押さえたが、視界が晴れるのと同時に。かすかに笑みを浮かべた。
蹴りの一撃によって、街の一部は原型も止めないほどに破壊されていたからだった。一部からは黒煙も吹き上がっていたが、霊夢は気にすることなく足を踏み入れる。瓦礫を踏み潰すたびに不思議な快感が込み上げてきて、下半身が少しずつ熱くなってくるのを感じる。
……無理ないじゃない。こんなに楽しいんだから♪
立ち並ぶビルをスカートに包まれた足で破壊しながら進み、両手で大型の商業ビルの屋上を鷲掴みにして引きちぎる。それを無傷の住宅地に叩きつけると、小さな家がまとめて瓦礫と化していく。それでも霊夢は手を止めたりしなかった。
自分の胸元ぐらいまでの高さを誇る大型マンションに行く手を塞がれると、再びキックを食らわせて中央部を破壊する。そこに足を踏み入れると今度はむき出しになった部分を何度も殴って破壊し、最後は両手をかけて押し倒してしまう。1分もかからずに、大型マンションは瓦礫の山となり、霊夢はそれを踏み潰しながら新たな獲物へと襲いかかる。
「これ……鈴奈庵で借りた雑誌で見たことがあるわね」
次に霊夢が目をつけたのは、大型の電線塔だった。無造作に足元の建物を蹴散らしながら近づくと、軽く手をかける。
「でも武器代わりにちょうど良さそう♪ えいっ……あ!」
軽く力を込めて地面から電線塔を引き抜いた霊夢だったが、電線が切れた瞬間、派手に火花が散ってさすがに驚いた。それでも熱くなかったので無理やり電線を引きちぎると、両手で電線塔を持つ。
「うん。いい感じいい感じ。やっぱり武器がないと駄目よね~」
笑いながら言い切ると、紅白の電線塔を持った紅白の巨大巫女は住宅が密集する地区を踏み潰しながら歩くと、大きめのビルに襲いかかっていく。まずは手にしていた電線塔をを思い切り振り下ろす。その一撃で建物を壊そうとしたが、壊れたのは塔の方だった。
「……。なにこれ、全然じゃない」
不満げにつぶやいて原形を無くした電線塔を無造作に投げ捨てると、憂さ晴らしに派手なキックを食らわせる。体重の乗ったそれによってビルは中程から真っ二つになり、瓦礫が派手に飛び散って周囲の建物や住宅、道路上の車などをめちゃめちゃにしていく。それでも霊夢は残った部分ににも蹴りを食らわせて、ついに周囲ごと瓦礫にしてしまった。
「まだまだかなり残ってるわね。大変かも……」
口ではそう言いながらも。霊夢は無邪気な笑みを浮かべていた。
怪獣のように暴れるのは楽しくて仕方なかった。

巨大化した博麗の巫女が下半身の熱さをはっきりと意識したのは、大きな街の四分の一が瓦礫と化した頃のことだった。
「……なんでこんな時にこうなるのよ。確かに興奮して仕方ないけど何もこんな時に……」
口ではそう言ったものの、原因は分かりきっていた。制限のない破壊行為が、ちょっとした背徳感と混じり合って今まで経験したことがない性的興奮に結びついていることに……。
「でも適当なものなんか……あるじゃない♪」
密集する住宅を壊滅させて、その上に仁王立ちになっていた霊夢だったが、瓦礫を蹴散らして次の標的へと向かっていく。そこにあったのは……電車の高架線だった。
「さっきから気になってたのよね~。武器にはしづらそうだけど、大きさもちょうどいいし」
言い訳半分つぶやいていたが、身体は正直だった。高架線の上にあった通勤電車を先頭から掴み上げると、二両分だけを引きちぎって手に持ったからだった。一瞬だけ周囲を見回して誰もいないことを確かめると……赤い巫女服の上から胸の谷間にこすりつけ始めてしまった。途端に今まで経験したことがない程の快感が背筋を走り、とろけるような恍惚感と共に霊夢は高架線を壊しながら尻もちをつく。
「う……うふっ、箒と違って刺激的♪ こういうのもいいかも……ああ、駄目……!」
思い切り足を伸ばして高架線や周囲の建物を破壊しながら、電車で胸の谷間を刺激し続ける。小ぶりながらも形の良い胸が揺れるたびに少女の唇からは喘ぎ声が漏れ、下半身の熱さが加速していく。
「もう……どうにでも……なれ!」
しばらくして、ついに霊夢はスカートの中に電車を入れてしまった。よく箒でやるように、短めのドロワ越しに原形を失いつつある電車で秘部を思い切り刺激する。さっきまでの何倍もの悦楽が全身を支配し、霊夢はまるで獣のように転がってしまう。ふわりと翻った黒茶色の髪と赤いリボンが住宅などの上にかかり、さらに転がってきた博麗の巫女の巨体が簡単に全てを押し潰していく。それでも霊夢はスカートが完全にまくれたあられのない姿で一人遊びを続ける。
「ああっ……駄目……ドロワの中までぐちゃぐちゃ……後で大変なのに……でも……凄く気持ちいいかも……」
小さなアパートを枕にしながら、巨大化した少女はつぶやく。両手は握りしめた電車をドロワに押し付けたままだった。
「まさかこんな状態でイッちゃうなんて……思わなかった……でも、何回でもイケそう……」
平然と言いながらさらに転がって住宅街を破壊する。巨体の下で建物が潰れていく感覚すらも気持ちよくて、秘部から幾らでも熱いものが溢れるのを感じる。
極楽にいるかのような悦楽に浸りきって、霊夢がゆっくりと体を起こしたのは、それからしばらくしてからのことだった。道具代わりした電車を無造作に投げ捨て、乱れた髪を直しながら辺りを見回す。大きな架空の街はたったひとりの少女の手によって、一部が原形を残さないほどに破壊し尽くされていた。あちこちからは黒煙や炎が吹き上がり、瓦礫とも相まって地獄絵図と化しつつあった。
それでも、霊夢の笑顔は崩れなかった。
「でもまだまだ無事な建物とかが多いわね。もっともっと壊さないと♪」
そんな事を言いながら立ち上がる。汚れた巫女服からは瓦礫などがぼろぼろと落ちてきたが、気にすることなく次の獲物へと襲いかかっていくのだった。

その後も巨大化した博麗の巫女による大破壊は続いた。アーケードを持つ大きな商店街はそのアーケードを武器にして破壊し尽くされて無残な姿を晒し、高架線の駅は電車ごと壊滅し、その周囲に立ち並んでいた大型のビルもまた全て倒された挙句、完膚なまでに踏み潰されてしまった。
「まだまだ壊し足りないわね~」
ゆっくりと瓦礫の上から体を起こしながら、霊夢はつぶやいた。街の中心部に襲いかかって約十五分で、主な部分は壊滅していたが、なぜか物足りなかった。

街破壊巨大少女幻想136

「もっと大胆に壊した方がいいのかも。たとえば……」
両膝をついた状態のまま、巨大化した霊夢は移動を始めた。また車などが潰されて爆発したが、構ったりせずに目についた無傷のビルに襲いかかる。いきなり、全体重を預けて寄りかかる。小ぶりな胸の下で建物が崩壊していったが、そのまま押し潰してしまう。それでも満足できなかったので、今度はセミロングの髪やリボンを思い切り揺らしながら転がる。約1500トン近い体重を受け止めて、周囲の建物が次々に瓦礫となっていく。
「やっぱり楽しいわね~。こういうのも。こんな事もしたりして」
密集する住宅地の中心部に横たわって、巨大な少女は二の腕がむき出しになった腕を伸ばすと、そのまま立ち並ぶ建物を巻き込みながら腕を閉じてしまった。綺麗な両腋の下で、住宅などが破壊されていったが、霊夢は笑っていた。
「腋で建物を壊すなんて私ぐらいかもね~。胸はあまりある方じゃないし……」
一瞬、自分よりも立派な胸を持つ別の腋巫女の存在が心に浮かんだが、すぐに打ち消して霊夢は立ち上がった。全身に付着した瓦礫を振り払うと、今度は工場などが立ち並ぶ地区へと襲いかかっていく。
「このあたり壊すと酷いことになりそう~。でもやっちゃったりして♪」
爛漫な笑みを浮かべると、霊夢は躊躇いを見せることなく工場へと足を踏み入れていく。パンプスに包まれた足で正面ゲートを踏み潰し、まずは目についた腰ぐらいまでの高さの建物を壊しながら歩く。原形を失うほどに破壊されたのを見ると、今度は足を振り上げて周囲の建物ごと壊してしまう。
「やっぱり脆いわね~。簡単に壊れるじゃない」
わざとらしくつぶやきながらも、手足を使って次々に工場を壊していく。
大型のクレーンがスカートに倒れ掛かってくると両手で持って武器にして暴れる。
ガスの詰まったタンクを見つけると地面から引き抜いて、別の建物に叩きつけて大爆発を引き起こす。
吹き上がる爆炎と煙を悠然とかき分けながら何かのプラントに襲いかかって、さらに爆発炎上させる。
気がつくと、30倍サイズに巨大化した霊夢の周囲には、無残なまでに破壊された工場と、派手に燃え上がる瓦礫などしか残されていなった。
「よく燃えるわね。焚き火がわりにちょうどいいけど♪」
気がつくと、街の半分は破壊されるか炎上するか、灰燼と化していた。全て自分が起こした惨劇だと気づくと、霊夢は自分の胸に手を当てて少し俯く。罪悪感に駆られたわけではなかった。自分の<力>に改めて興奮しつつあったからだった。
一度は鎮まったはずの下半身が激しく疼き、新たな性的興奮を求め始める。
「ああもう……。私ってそんなに淫乱じゃないのに……」
<可愛らしい顔をしてえげつないほどエロい>ことにも気づかないまま、霊夢は興奮を鎮めるために大暴れを再開する。それでも、一度火がついた欲情を止めることはできなかった。

夢中になってどれだけ暴れただろうか。
巨大な博麗の巫女は高層マンションなどが立ち並ぶ地区へと襲いかかって、瀟洒な建物をまとめて瓦礫へと変えていた。
「えーいっ!」
気合の入った掛け声と共に、まだ壊していないタワーマンションの中央部にキックを喰らわせる。その一撃でも崩れないのを見ると、今度は白い袖を大きく翻しながら拳を叩き込み、最後にショルダータックルまでお見舞いして一気に倒壊させる。派手に埃が舞い上がり、視界が悪くなったが、気にすることなく踏み潰して仁王立ちになる。
「かなり壊したわね……。もうそろそろ壊滅しそう」
さすがに少しばかり息が荒くなっていた。疲れを感じたこともあり、壊していない建物をスカートに包まれたヒップで潰しながら座り込み、大通りの車などを巻き込みながら足を伸ばす。巨大化した少女が動くたびに新たな破壊や爆発が発生したが、もはやまったく気にならなかった。
「……駄目。止まらない……。なんでこんなに興奮するの……」
スカート越しに秘部を両手で押さえて、霊夢は赤面した。一度は発散したはずの疼きが止まらず、正直困り果てていた。
「でも同じ方法じゃ駄目だし、もっとこう激しくないと……」
ふと、すぐ近くにまだ壊していないビルが目に入った。巨大化した少女の腰ぐらいの高さがある建物だったが、ある事を思いついた瞬間、霊夢の理性は吹き飛んでいた。
弾かれるように立ち上がると、そのビルの前に立ってフリルの付いたスカートを豪快に捲り上げる。短めのドロワが丸見えになってしまったが、霊夢は興奮を抑えられないまま、ドロワに包まれた秘部をビルに押し当て始めてしまった。電車を使った時とはまた違う興奮が脳天を刺激し、可愛い顔に似合わない喘ぎ声を上げる。
「うう……す、凄い! この感じこの感じ! これが欲しかったのよ~。なんで今まで思いつかなかった……うふっ……」
もはや本能の命ずるままだった。霊夢は腰を激しく動かし、まだ未熟な下半身をビルに擦りつけ続ける。道具代わりにされたビルは屋上の施設が簡単に破壊され、上層階までむき出しになったが、それがまた新たな刺激を少女にもたらす。
「あふう……うっ……あああ……駄目……見られたら最悪なのに止められない……気持ちよすぎ……」
自分がビルを壊しながら角オナをしていると思うと、恥ずかしさも背徳感も最高潮だった。しかし、それ以上の悦楽が全身を支配して、博麗の巫女を性欲の塊に変えていく。
絶頂に達した瞬間、一段と激しく腰を動かしたせいでついにビルが倒壊した。勢い余った霊夢は前のめりに倒れて、大通りの車などをめちゃにしながら転がる。スカートはまくれ上がり、濡れそぼったドロワの下でもトラックなどが潰れていたが、少女は愉悦の笑みを崩さなかった。
「ここまできたら何をしても平気ね……。見られてもかまわない♪」
絶頂を迎えたばかりだというのに、霊夢の興奮は止まらなかった。全身から瓦礫やスクラップを落としながら立ち上がると、残っていた建物を夢中になって壊しては、その場に座り込んで自慰したり、角オナを繰り返したからだった。
大きな架空の街が瓦礫と炎と灰燼に沈んだのは、霊夢が何回目かの絶頂に至った直後のことだった。

いい壊しぶりね~。さすがは霊夢。可愛い顔をして本当にエロいんだから。ま、最後は少しばかり理性の<境界>を弄んだけど、この程度ならいいわね♪ この映像を外の世界に流せば莫大なアフィリエイト収入があるんだから……。

……
次回はSSリクエストシリーズ第3弾というわけで、神風様からのリクエストに応えたいと思います。前にも登場してもらったロッテ・リオン姉妹&スノウ・アリシア姉妹が主人公の大暴れを予定していますが、正直かなり長い話になると思います。ネタの多いキャラたちですからね~。ただの巨大少女破壊ものではなく、普通の小説としても読めるような話にしたいと思います。お楽しみに!
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魔法使いとその妹と従者(その2)

とりあえず仕事の方はピークを越えましたので復帰します。というわけで、「箱庭世界の巨大少女剣士」のスピンアウト作品の第2話です。

……
「ほへ? ここは……」
遠くへ行っていた意識が戻ってきたような気がして、アリシアはゆっくりと目を開いた。辺りを見回し、自分の置かれている状況に気づくと丸い瞳を大きく見開く。
「え~! ど、どうなってるの……。これ……」
無理もなかった。小さな魔法使いは約五十倍サイズに巨大化して、見たこともない大きな都市の片隅に立っていたからだった。目の前の建物ですらアリシアの身長には届かず、手を伸ばせば簡単に屋上に触れることが出来る程だった。
「アリシア様、ご無事ですか!」
何をしていいのか分からず、呆然と佇んでいると、聞き慣れた声が飛んできて、アリシアはその方向を見た。
守り役でもある少女魔法剣士のユラが立っていた。もちろん、彼女もまた怪獣のように巨大化しており、ビルを前面にしているため上半身だけが視野に入ってきた。
「大丈夫だけど……。どうしてこんなことに……」
「スノウ様の魔法に巻き込まれたようですね。あの箱には強烈な魔力が込められていました。おそらく、転移の魔法ではないかと思われます」
オッドアイの少女剣士の声は、アリシアを落ち着かせるのに十分だった。少し俯いて考えを張り巡らせると、溜め息混じりにつぶやいたからである。
「……みたいね。ということはここは箱の中かも」
「そうだと思います。スノウ様はロッテ様の頼みを受けて箱庭の作成をされていました」
「でも、引き込まれるなんて思わなかった……。このままじゃ歩けないじゃない。こんなに大きいんだから」
改めて辺りを見回す。別世界の都市……おそらく、ロッテの盟友である吸血鬼の黒羽の住む街を再現したと思われる……は背の高い建物が密集して立ち並び、見ているだけで息苦しくなる程だった。
「……。待って。ここって本当に箱庭の中だと思う?」
「はい。状況からすると間違いないと思われます。これほど大きな都市なのに人影がありませんし、スノウ様の魔力も感じられます」
「そうだよね……」
一瞬の沈黙の後。アリシアはわずかに影のある笑みを浮かべた。
正直なところ、この前黒羽の箱庭の中で繰り広げられたという大破壊バトルには興味津々だった。その時は運悪くユラと外出中だったので後でロッテから話を聞いただけだったが、それでも興奮を押さきれなくなったものだった。
「アリシア様?」
「この街、みーんな壊していいんだよね? この前みたいに」
「え? もし、箱庭の中でしたらそうなると思います。でも勝手に暴れたらスノウ様に怒られてしまいます」
「大丈夫。お姉様にはアリシアが説明するから。きっと分かってくれるはずだよ♪」
分かってくるではなく、分からざるをえないのでは?
真面目な性格のユラは思わずそう言いかけて口をつぐんだ。その名の通りクールなスノウだったが、同じ血を分けた妹には何かと甘いことは周知の事実だった。
「じゃ、さっそく大暴れ開始! あ、もちろんユラも暴れていいから~。アリシア一人だけじゃ大き過ぎるし」
「はい……。そうですけど……」
辺りを見回して、ユラは心の奥で何かが動くを感じた。今まで感じたことがない不思議な感情だった。
今のはいったい……。
思わず首を傾げたユラだったが、突然大きな音が耳に届いて、慌ててその方向を見た。さっきまで確かにあったはずのビルが複数倒壊しており、その奥でアリシアが無邪気に笑っていた。
「アリシア様?」
「とうとう壊しちゃった~。凄いんだから。簡単に壊せるよ」
「そうみたいですね……。まあ、壊すことを前提にしていますから当然かもしれませんけど」
「あ、見て見て。踏み潰すのも楽しいじゃない!」
ユラの言葉は、小さな魔法使いにはほとんど届いていなかった。今度はローファーに包まれた足で、崩壊した建物をまとめて蹴散らし始めたからだった。一段と埃が舞い上がり、断ち切られた電線が派手に火花を散らす。それでも、アリシアはまったく平気だった。
「怪獣……そのものですね」
「そーゆーこと。今からアリシアは怪獣になるの! みーんな壊してしまうんだから!」
既にアリシアの破壊衝動は全開だった。目についたビルを両手だけで押し倒してしまうと、その上に飛び乗って崩壊させてしまったからである。瓦礫がユラの足元まで飛ばされてきたが、もはや何を言っても無駄なような気がした。
こんなに楽しそうにしているアリシア様を見るのは久しぶり。やっぱり、こういう遊びに興味があったのですね……。
「えーいっ!」
やや舌足らずな掛け声と共に、また一つビルが崩壊した。周囲の建物も全て巻き込まれ、小さな少女の周りはただの瓦礫の山となりつつあった。
「今度はこれを使ってみよっと。何なのかな~これ。お姉様が読んでた本で見たような気がするけど」
アリシアが次に目をつけたのは、大型の電波塔だった。ビルの上にそびえ立つそれを巨大化した少女は軽々と引き抜くと、剣のように両手で持ってみせる。
「どう? 格好いい?」
「はしゃぎ過ぎると怪我をしますからほどほどにしてください」
「へーきへーき。アリシアも少しは鍛えているんだから!」
魔法の腕はとにかく、剣の腕に関しては疑問符付きであることを指摘するよりも早く、自分の背丈の半分の高さのある電波塔を武器代わりにしたアリシアは無双の大暴れを始めた。
まずは電波塔の下にあったビルに対して塔を叩きつけて、上半分を吹き飛ばす。それでも壊れないのを見るとスカートにも構わず蹴りを入れて全て吹き飛ばす。飛び散った瓦礫が周囲の建物を直撃し、ガラスが派手に砕け散ったり、道路上の車が破壊されたが、小さな魔法使いは笑いながらそれらを蹴散らして走り出した。
「アリシア様……?」
体は白塔館で一番小さいとはいえ、五十倍サイズに巨大化した状態では、まさに怪獣そのものだった。アスファルトは簡単に陥没して大穴が開き、両手などによって破壊された建物がそこに崩れ落ちていく。美しい街並みも、わずか数分で激しい砲撃を受けた街のように壊滅してしまった。
「凄い破壊力……。アリシア様ですらここまで出来るなんて」
控えめな胸に手を当てて、ユラはある衝動を抑えられなくなりつつあることに気づいていた。正直、自分も破壊の限りを尽くしてみたくなっていた。鍛錬を重ねたしなやかで強靭な肉体があれば、どこまで壊せるだろうか? そして、剣を抜いて暴れたらどうなるのだろうか……。
ここはスノウ様の作られた架空の世界。何をしても問題ないはず。アリシア様にさえ気をつければ……。
「ユラ~。見て! 今度はこれを壊して遊ぶんだから!」
気が付くと、巨大化した少女は武器にしていた塔を簡単にねじ曲げてしまっていた。ぼろぼろと鉄骨を落としながら投げ捨てて、またもや建物を破壊すると、今度は鉄道の高架線に襲いかかる。電車が二編成あることに気づくと、いきなりその上に足を振り下ろしてしまったからである。一撃で電車は中央部から折れ曲がり、高架線も分断されて架線が無残に垂れ下がったが、なおも二度三度と踏み潰してから、その上に座り込む。広がった両足が道路上に投げ出されたが、さらに両手で電車の残りを掴み上げる。
「これも見たことがあるけど~。何かな? ま、いいや。えいっ! 壊しちゃえ!」
少女の力だけで、複数の車両がただのスクラップとなった。破片やスクラップがスカートの上に落下したが、それらを払い落としながら立ち上がると自分の実力を見せつけるようにポーズを決める。
「どう? アリシアの破壊力」
「大したものですね。ここまでめちゃめちゃにしてしまうなんて思いませんでした」
「ユラも遊んでいいんだよ。どーせ全部壊していいんだから」
「私も、ですか? 私はその……」
「いいのいいの。そんな事を言ったらアリシアがみーんな壊しちゃうんだから」
そう言いながら、アリシアはまた新たな破壊劇を始めた。幾ら体は小さいとはいえ破壊衝動はかなりなものだった。このままだと、本当に街は壊滅してしまうだろう。
「……だったら、私も遊ばせてもらいます。遠慮せずに」
そう言い切った瞬間、ユラは珍しく口元に笑みを浮かべた。真面目な少女剣士が<本気>になった時だけみせる悪魔じみた微笑だった。

最初に狙われたのは、住宅やマンションが立ち並ぶ地区だった。
ふわりと銀色のマントと髪を翻したかと思うと、無造作に蹴散らし始めたからだった。その無駄のない動きは、銀色の疾風そのものだった。
「あ、とうとうユラも壊しちゃうんだ~。面白いもんね」
それに気づいたアリシアが声をかけてくる。気がつくと少女の足元にあった鉄道の高架線は完全に破壊されており、電車はローファーで全て踏み潰されて無残な姿を晒していた。
「ええ。こんなに簡単に壊せるならすぐに壊滅します」
微笑しながら、ユラは目についたタワーマンションにキックを浴びせかけた。絶妙なバランスから放たれた右足が凶器となって建物を一撃で両断し、上層部は宙を舞って大通りに落下する。周囲の建物が巻き込まれて崩壊し、道路上では車が爆発炎上していたが、ユラは眉一つ動かさなかった。
やっぱり気持ちいいかも……。ここなら幾らでも力を発揮できるから。えいっ!
今度はタワーマンションの残り半分にもキックを浴びせかけて、巨大化した少女剣士はわずか二撃で自分の背丈以上の高さを誇るマンションを破壊してしまった。それでも破壊衝動は抑えられず、住宅を片っ端から蹴散らしながら今度は近くにあったコンベンションセンターの大きな建物に襲いかかる。
「壊れてしまえっ!」
高らかに宣言するのと同時に、ユラは駐車場の車をまとめて蹴散らしながら宙に舞った。マントが大きく翻り、アリシアは思わず見とれてしまった程だったが、その直後の惨劇は想像以上だった。
巨大な少女はなんとコンベンションセンターの中央部に両足を揃えて着地したからである。その一撃だけで屋根は半壊し、建物は原形を失ったが、そこからさらに蹴りを浴びせかけて周囲に派手に瓦礫を撒き散らす。
「やっぱり凄いかも。ていうか、完全に楽しんでる……」
自分の破壊行為も忘れて、アリシアは従者の少女の大暴れを鑑賞していた。銀色の疾風が駆け抜けるたびに建物が瓦礫になっていき、巨大な都市が少しずつ原形を失っていく光景を見るのは妙に楽しかった。
「……。でも、なんでこんなに心がざわめくのかな? ユラは戦う人なんだから別におかしくないのに」
ユラを見ていると落ち着かなくなる心に気づいて、アリシアは小さく首をかしげた。何か大事なことを忘れているような気がしてならなかった。
「あ、お姉ちゃんを探さないと……。忘れてた」
おそらくこの架空都市のどこかにいるのだろうが、魔法も使えない状態では探すことは不可能だった。
「ま、いいか。その内合流できるはずだし。アリシアも遊ぼうっと。どーせ怒られないんだから♪」
そう思って破壊活動を再開したアリシアだったが、心のざわめきは止まらなかった。ユラに関する事で、忘れていると大変なことになりそうな気がしてならないのだが……。
「その内思い出すよね♪ 大事なことなんだから!」
一方、ユラは一通り周囲の建物を壊滅させて、港の近くまで来ていた。埋立地には真新しい建物が立ち並び、その近くには大型のアミューズメント施設まであるのが見えた。
「こんな建物全部壊してしまうのもいいわね。一度に壊してやるから。覚悟っ!」
誰に言うわけでもなくつぶやくと、笑いながら華美な装飾で飾られたアミューズメント施設を襲撃する。まずは正面ゲートを足だけで破壊し、メインとなる建物をキックだけで蹴散らす。それだけではもちろん物足りないので、地面から施設を引きぬいて、別の施設に思い切り叩きつける。生じた瓦礫は踏み潰し、巨大化したユラはまるで遊ぶかのような足取りでアミューズメント施設を壊滅に追い込んでいく。
楽しいわね。この感覚、久しぶり。今度薫と手合わせする時は箱庭の中で盛大に破壊しながらっていうのもいいわね。あの子も顔に似合わず凄い破壊衝動の持ち主みたいだから……。
先日、異境の吸血鬼・黒羽の従者として来訪した少女のことを思い出して、ユラは笑った。挨拶代わりに手合わせをしたのだが、どうにも物足りなかった。
あの子はこの世界に引き込めば凄い力を発揮できそう。もしかすると、私と互角ぐらいの力があったりして。
そんな事を考えながら、大型の観覧車に手をかけて簡単に地面から引きぬく。ゴンドラがばらばらと落下するのも構わず両手で持つと、近くにあったビルに思い切り叩きつけた。轟音と共にガラス張りのビルは崩壊し、武器にされた観覧車が半ばめり込んだ状態で、目の前の道路に崩れ落ちる。何もかも、滅茶苦茶だった。
こうやってみーんな壊してしまえばいいわ。形あるのは全て壊れる。それならば、私が全てを破壊する!
ユラのオッドアイに奇妙な光が浮かびつつあった。もし、アリシアが見ていたら危険に気づいただろうが、当の本人は<街壊し遊び>に熱中していて見向きもしない。
破壊し尽くしたい……。全て、全て、全て! それまで誰も止められない!
アミューズメント施設がわずか三分で壊滅した瞬間。
ユラの心から一時的に理性が吹き飛んだ。
<狂戦士状態(バーサーカーモード)>。
強敵から主人を守る時以外は発動しないはずの<状態(モード)>が箱庭の中で発動した。

……
今回はここまでです。おとなしい人ほど反動が恐いとはよく言いますが、ユラもそのタイプのようです。といっても、普通ならば主人(マスター)であるロッテを守る時ぐらいしか発動しないはずなのですが、破壊衝動の方が上回ってしまったようです……。

6月からイベント参加再開の予定ですが、それに合わせて同人誌版「反逆の従者―箱庭世界の巨大少女剣士―」の表紙を描き直しました。

街破壊巨大少女幻想90

久しぶりにヒロインの薫を描きました。なんかかなーり絵が変わってしまいました。いつものことですが。

次の更新はイラストですので、来週の予定です。その後に今回のSSの完結編を掲載します。
夏コミ、当選するかな……?
プロフィール

小笠原智広

Author:小笠原智広
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